Auto infotaimentについての若干の補足

最近の車の進歩は著しいものがある。前ページのスライドにもちょっと出てきているが、Ford MotorsとMicrosoft、Freescaleは共同で"Sync"という車載情報システムを開発している。

i.MX31の上にMicrosoft Autoを乗せたもので、音声認識/合成によりハンズフリーで操作を行ったり、緊急時の911への連絡や車両状態の診断を行ったり、と盛り沢山な内容である。前ページのスライドで"Auto Infotaiment"の2007年に出てくる"i.MX31-Auto"がこれだ。Freescaleはこれを皮切りに、i.MXをAuto infotaimentの分野に積極的に展開してゆきたいようだが、とりあえず直近となる製品はi.MX25と呼ばれる、ややグレードが下がった製品になるようだ。

何でそれが判ったか、というとTechnology Labでこんな不思議なものを見つけたからだ。

なぜColdFireがAutomotive Infotaimentに……という疑問が。確かにCANもUSBも持っているし、Audio CodecやBluetoothをつなげるもの難しくないだろう。一番ローエンド、つまりスピーカーだけあって、そこにiPodやらなにやらをつけると音楽を鳴らせられる「だけ」という向きにはColdFireでもいいかもしれないが

かなりシンプルな構造。LCDコントローラもColdFireに含まれているから、これで最低限の機能は実現できるだろうということは判る

それで、そのブースにおいて
「なんでまたColdFire?」
「これはあくまでローエンド向けだから。ColdFireの方が(i.MXよりも)もっとコストを抑えられる」
「それじゃこの上位は? やはりColdFireで提供するの?」
「いや。この上位はi.MXになる」
「でもソフトウェアの互換性ないでしょ?」
「いや、互換性を持つものになる。今度出る新しいi.MXがこのプラットフォームの上位製品になる」
「それってひょっとしてi.MX25?」
「そう」
といった会話を交わした結果、明らかになったものだ。

ちなみにi.MX25という型番は知っていたものの、それがどのような製品かはまったく判らなかったので、瓢箪から駒というか、藪をつついて蛇が出てきたと言うか、中々に面白かった。

それにしても、Auto Infotaiment向けプラットフォームはどうなってるんだ? という感は否めない。たまたま会場で飯を食っていたJeff Bock氏(2006年にこちらでインタビューした、ColdFireのProduct Marketing Manager)を発見したので捕まえて
「ColdFireはIndustry向けという方針は相変わらず変化はないの?」
「変わってない」
「それじゃあそこで展示してるAutomotive Infotaiment向けのプラットフォームは何?」
「もちろん幾つかの例外(few exceptions)はある」
一体いくつ例外があるんだよ? と突っ込みを入れたいところではあった。