セカンドライフで出会って、本当に結婚して

恋した人がたまたま遠くに住んでいるのなら、結婚だ、という結論になったおふたりが、Lond Yoshikawaさん(女性)とmansei Aabyeさん(男性)です。ちょっとお話を伺ってみました。

筆者: セカンドライフは、友達でもつくろう、とか思って始めたのでしょうか?
Yoshikawa: 私はとくにそういうつもりではなくて、ちょっと面白そうだからのぞいてみようかなくらいでしたね。
Aabye: 私も別になんとなく始めました。
筆者: そのおふたりが、最初に出会ったのは?
Aabye: かれこれ1年くらい前になりますなー。
Yoshikawa: そうそうw。私がSLを初めて間もないころ、kawasanという方のカフェに拾われまして、そこで知り合いました。去年の5月くらいかな。RL(Real Life)で会ったのは(2カ月後の)7月ですね。実際に会う前から(セカンドライフ内で)付き合ってました。よね?
Aabye: だね。
筆者: セカンドライフ内でデートを?
Aabye: そうですね。
Yoshikawa: で、メールとか電話とかするようになってじゃあ会ってみようかと。
筆者: すごく早い展開ですね。
Yoshikawa: まったくですw
Aabye: 最初Londさんは男と思ってましたwww
Yoshikawa: ネカマ疑惑があったもんねw
Aabye: ありましたな。
筆者: でも、女性だと信じて、しかも惹かれていったのでしょうか?
Aabye: うーんなんといっていいのかわからないんですが。
Yoshikawa: なんかイキオイてか、そういう流れだったんだよね、その頃は。
Aabye: そんな感じですね。
Yoshikawa: 本人たちも信じられませんよ、こんなありえない話。
筆者: リアルでのご結婚はいつ?
Yoshikawa: 9月です。
筆者: リアルではお互い近所にお住まいだったのでしょうか? 遠いから、いっそ結婚、ということになったのでしょうか?
Yoshikawa: 後者ですねwまさにww
筆者: すると、初めてリアルで出会ったときは、もうかなりキモチはできていた、という感じなんでしょうか。
Yoshikawa: そうですね。
Aabye: ですね。でも、男だったらどないしょーみたいなのもありました。
筆者: そんな……。
Yoshikawa: かなり疑われていた模様ですw
筆者: 現実で会ったとき、セカンドライフでの印象とのギャップはありましたか?
Yoshikawa: 誤差の範囲内でしたw
Aabye: 想定内ですな。
筆者: セカンドライフで出会って、どこに惹かれたのか、教えていただけますか?
Aabye: なぞですね。アバターに惹かれててるわけでもないし。
Yoshikawa: 私の場合、この人はうそつく人ではないなとは思いましたが。チャットでなんとなくですけど。
Aabye: チャットで話すと落ち着く感じがあったのかもしれないなー。
Yoshikawa: ウマが合ったのかね。
Aabye: かねー。
筆者: では、最後に、セカンドライフで結婚相手を探すというのは無理でも、リアルにつながるお友達をさがしたい、という人にアドバイスをいただけますか?
Yoshikawa: やっぱり、うそをつかないことなのかなー。
Aabye: それはあるかもね。
Yoshikawa: 正直に過ごしてみて、それで気の合う人なら大丈夫でしょう。RLを反映してる訳だからね。

Yoshikawaさんとmansei Aabyeさん。おふたりが出会ったKawasan Cafeにて

チャットで気が合えば、リアルでも気が合う

2組のカップルのお話には、いくつか共通点があるようです。Nomuraさんたちの出会いはWellcome Aria、つまり、セカンドライフで新規アカウントを取得したときに操作方法などを覚えるために最初に到着する島です。一方、Yoshikawaさんたちが出会った場所は、日本エリアにあるKawasan Landという常連さんもたくさんいる遊園地の一角にあるカフェ。どちらも、いわゆる恋愛系エリアではありません。

そして、チャットで気が合って、セカンドライフ以外でもメールや電話で連絡するようになっていきました。セカンドライフでの人付き合いのおもしろいところは、バーチャル空間とリアルの時間を共有しているところです。ブログに日記を書いて、それに友達がレスをつけてくれて、そのレスを翌日に自分が読む、という関係とはかなり違った人付き合いです。たとえば、誰かがウケねらいのヘンテコなアバターで現れたら、驚いたり呆れたりしたことをその場でチャットしていくわけです。気の利いたひとことを言ってやろうなどと熟考に熟考を重ねていると、ヘンテコなアバターは通り過ぎていき、黙って通りすぎられるのがその人の個性として周辺には伝わっていく、と。ともかく、即時性が求められるチャットをしていると、別の自分を装いにくく、リアルでも気の合う人かどうかが、けっこう伝わってくるというのは、筆者にも納得できます。

この他にもセカンドライフで恋人や伴侶を見つけた人を、筆者は何人か知っています。筆者がお店を出しているモールにもひとりいました。でも、結婚するとリアルが忙しくなるらしく、今はお店もたたんでいます。

ま、恋愛とは縁遠い筆者が、トンチンカンな考察をしてもしょうがありません。気になるひとは、セカンドライフへいらっしゃい。

「セカンドライフ三面記事」バックナンバー

・第1回 バーチャル"サクラ"を巡る攻防
・第2回 バーチャル不動産ビジネスの正体
・第3回 ヘルプ! 英会話教室の外国人講師にぼったくられる
・第4回 汗と涙で稼いだリンデンドルを"円"に換えたら(泣)
・第5回 或る女の不条理で(ちょい)欲深い日常
・第6回 設定が招いたディスコミュニケーション!?
・第7回 グリーファーの襲撃に筆者は武装も考えた……
・第8回 誤解も愛のうち……妙な日本文化に触れる
・第9回 起業も職業選択も自由なバーチャルワークの魅力
・第10回 ロールプレイングを楽しんでる人たちがいる
・第11回 バーチャルだけど、土地、買いました(1)
・第12回 バーチャルだけど、土地、買いました(2)
・第13回 お祭り見聞録~イケメン元CEOもやって来た!