成長続く車載半導体市場

NXP Semiconductorsのオートモーティブ セールス&マーケティング バイスプレジデント Willem Bulthuis氏

半導体ベンダの蘭NXP Semiconductorsの日本法人であるNXPセミコンダクターズジャパンは24日、同社の車載半導体事業に関する説明会を開催した。

NXP Semiconductorsのオートモーティブ セールス&マーケティング バイスプレジデントであるWillem Bulthuis氏は冒頭、「世界の自動車生産は2018年頃まで年間4%程度の成長が続く。こうした成長のおよそ90%が電子部品により牽引される領域」と自動車の電子化が今後の同市場の牽引役になることを示した。

中でも車載半導体の需要は2007年から2012年までのCAGRで8%程度の成長が見込まれ、市場規模は2007年の170億ドルから2015年には300億ドルへと拡大することが予想される。

車載半導体の市場は2015年には300億ドル規模になることが予想される

自動車の電子化に伴い、1台あたりに搭載される半導体の量、金額ともに増加する。中でも日本地域は電子化の割合が高く、「世界で最も高機能化した自動車が登場する市場になる」(同)とした。

3つの注力分野

そのような市場に対し、同社が注力するのが「カーインフォテインメント」「セーフティ&コンフォート」「マルチマーケット半導体」の3分野。

カーインフォテインメント製品市場規模は2014年には47億ドルに達することが見込まれるが、その内50%以上がオーディオ/ラジオで占められることが予想される。そのため、同社でもオーディオ/ラジオ分野に注力してお り、ラジオのデジタル化に対し、同一のプラットフォーム上でファームウェアを変更するだけで、従来のアナログラジオのほか、米国の「HD Radio」や欧州の「DRM/DAB」などすべてのAM/FM帯域に対応が可能なソリューションの開発を進めている。Bulthuis氏は「マルチスタンダードなデジタルラジオを提供することで、メーカーは1つの製品でどのような地域に向けても対応することが可能になる」と語る。

ソフトウェアコンセプトによるデジタルラジオソリューションのデモボード(基板本体はアナログラジオしか対応していないが、基板右上に刺さっているオドオンボードによりデジタルラジオに対応する)

デジタルラジオ用アドオンボード