【レポート】

Mozilla Japan瀧田氏、「Firefox 3はWebアプリの普及を加速」

 

Mozilla Japanは16日、待望の新ブラウザ「Firefox 3」リリースに合わせ、報道関係者向けにFirefox 3の説明会を開催。同ブラウザの新機能や今後の狙いについて説明した。

Gmailのメッセージ読み込み速度はIE7の約6.8倍

Mozilla Japan 技術部 国際化担当 マネージャ 中野雅之氏

Mozilla Japan 技術部で国際化担当マネージャを務める中野雅之氏は、Firefox 3を「史上最速のFirefox」と表現した。同ブラウザで採用されているレンダリングエンジン「Gecko 1.9」は、従来バージョンの1.8にに比べて大幅なパフォーマンスの向上を実現している。メモリの消費量も最小限に抑えることができ、長時間使い続けてもパフォーマンスの低下を招かない。その結果、Firefox 2はもちろんのこと、他の主要ブラウザよりも高速に動作するブラウザが完成したという。

JavaScriptエンジンも格段に高速化している。The WebKit Open Source Projectの提供するJavaScriptベンチマークテスト「SunSpider JavaScript Benchmark」においては、Firefox 2の約3倍、Internet Explorer 7(IE7)の約9.3倍という結果を記録している。さらにJavaScriptの高速化はWebアプリケーションの実行速度において特に顕著に表れるとのことで、Gmailのメッセージ読み込み速度ではIE7の約6.8倍を記録したとのこと。

パフォーマンス以外にも、様々な新機能の搭載や機能改善が行われている。その数は大小合わせて15,000以上にものぼるそうだ。特にロケーションバーやアドオンマネージャ、ダウンロードマネージャなどをはじめとしたUI周りの挙動は大幅に改善されている。その他、詳細は過去の記事やリリースノートを参照していただきたい。

日本原産の"椿"を世界へ

Firefox 3ではセキュリティ面で1つ特筆すべき点がある。それは国産の暗号化技術「Camellia」を世界で初めてブラウザに標準搭載したことだ。CamelliaはNTTと三菱電機が共同で開発した暗号化アルゴリズムであり、世界最高水準の安全性と処理性能を実現している。

NTT情報流通プラットフォーム研究所 神田雅透氏

多くの国際標準規格・推奨規格に採用されている他、基本特許が無償化されており、オープンソースのプロダクトへの利用促進にも積極的だ。2006年にはOpenSSL 0.9.8cに標準で搭載されるに至ったが、NTT情報流通プラットフォーム研究所の神田雅透氏によれば、「クライアント側での大規模な採用」が課題として残っており、今回のFirefox 3でそれが実現したというわけだ。

同氏によれば、Camelliaは米国政府標準暗号規格である「AES」と同等と評価されており、世界で唯一のAES代替国際標準暗号であるとのこと。すなわち、現時点でFirefox 3は、世界で唯一AESに代わる暗号技術の選択肢を持つブラウザであるということだ。

ゴールはリリースすることではない - Mozilla Japanのミッション

Mozilla Japan 代表理事 瀧田佐登子氏

Mozilla Japanの代表理事である瀧田佐登子氏は、「Mozillaにとってのゴールは製品をリリースすることではない」とした。同氏によれば、Mozillaにとって重要なのはユーザーのフィードバックを受けて製品に反映していくことであるという。

Firefox 3においても、「インターネットでどういう世界を広げていくか」といったことに主眼を置いてユーザや開発者の意向を調査し、製品の改良を重ねてきたという。その結果、「Firefox 3はWebアプリケーションの普及を加速させるとともに、アプリケーションプラットフォームの新基盤を提供する」(瀧田氏)とのことだ。

その上でMozilla Japanにとっての今後のミッションについて、瀧田氏は次のように語った。

「これまでは日本国内におけるマーケティングと日本語版製品のリリースが主な役割だった。これからはそれに加えて、ユーザの声をエンジニアに結びつけるパイプラインとしての役割と、オープンソースのプロダクトをベースとしたモノづくりを支援する役割も担っていきたい」

そのためにまず様々な立場の人と話をする機会を設け、できるだけ多くの"生の声"を聞くことでユーザが何を求めているかを見極めていきたいとしている。またモノづくりという点からは日本の特色を活かせる場を模索していきたいとのこと。今後開発が予定されているモバイル版のブラウザは、その1つとして有力な候補となる。

その他、一般のコンシューマへの普及も課題として挙げた。インターネット白書による調査では日本国内のブラウザにおけるFirefoxのシェアは11.8%になっているとのことだが、今後も「Firefoxという選択肢がある」ということ自体を認知してもらえるよう活動していくとのこと。その一環として今回は、JR車内(山手線、中央線、京浜東北線)の液晶パネルでFirefox 3のCMを放映。このCMはMozilla Japan ブログでも見ることが可能だ。

Firefox 3を通して生まれる灯

フリープログラマ あかつかだいすけ氏

Firefox 3のリリースにあたっていくつかの興味深い試みも公表され、実行された。まず、リリース後24時間以内のダウンロード数におけるギネス世界記録にチャレンジ

Mozilla Japanでは、日本独自の企画として「Firefox 3 の灯(ともしび)」を開催。これは同サイトのマップ上において、Firefox 3がダウンロードされるごとにその地域を光らせるというもの。ダウンロードされてから1時間の間光り続けるため、同じ地域からのダウンロード数が増えるほど強く大きく輝く。Firefox 3 の灯を企画したフリープログラマのあかつかだいすけ氏は、次のようにコメントした。

「Firefox 3のダウンロードを通して生まれる灯が、Firefox 3を使うことで生まれる知識や技術を象徴するようなものになればいいと思う。そしてその灯だけで日本の形を浮かび上がらせることができれば非常にうれしい」

関連キーワード

人気記事

一覧

新着記事

日産「セレナ」発売1カ月で2万台受注 - 購入者の7割「プロパイロット」装着
[17:35 9/28] ホビー
山崎賢人・神木隆之介ら豪華俳優陣、『ジョジョ』実写映画の役作り語る
[17:32 9/28] エンタメ
ON Semi、家電冷却ファン向けモータドライバーの新製品
[17:32 9/28] テクノロジー
Parrot、自動操縦機能が充実した固定翼タイプのドローン「Parrot Disco」
[17:29 9/28] スマホとデジタル家電
東宝、業績予想を上方修正 - 『シン・ゴジラ』『君の名は。』ヒットで
[17:21 9/28] マネー