【レポート】

AIR 1.1のリリースで見えてきた、Adobeが目指すアプリケーションの未来図

2 AIRとともに進化する周辺技術

    杉山貴章  [2008/06/19]

    サーバ連携がAIRをさらに加速させる

    Adobeは近年、エンタープライズ分野の製品にも力を入れている。それらと連携させることによって、「さらにおもしろいAIRアプリケーションが実現できる」と轟氏は言う。たとえばデータ連携コンポーネント「LiveCycle Data Services ES」では、最新のアップデートによるAIRアプリケーションによるオフライン処理やオンライン復帰時のデータ同期処理を容易に実装できるようになった。また、アプリケーション開発/実行基盤である「LiveCycle ES Update 1」を利用すれば、PDFの生成やDRM保護、PDFフォームなどがサポートされ、より豊かなアプリケーションを実現可能となる。

    オープンソースプロジェクト「BlazeDS」も注目だ。BlazeDSではデータのPuch配信や大量のデータハンドリングがサポートされているほか、最新のアップデートではSQLiteとの連携が強化されるなど、アプリケーションのバックグラウンドを支える各種機能が提供される。BlazeDSはもともとLiveCycle Data Services ESの機能をオープンソース化したものだが、GPL v3ライセンス下で自由に利用することができる。

    その他、エンターティメントやeラーニングの分野でもAIRの活躍が見込まれるという。Flash Media Rights Management Server(FMRMS)を利用すれば、Flash VideoのDRM配信が可能となる。

    今後のロードマップ

    轟氏によれば、次期AIRでは、Flash Player 10が搭載される。Flash Player 10は現在Adobe Labsにてベータ版が公開されている。Flash Player 10および次期バージョンのAIRは2009年にリリースされる予定とのこと。また、ほぼ同時期にFlex 3.1もリリースされることになるようだ。

    AdobeのRIA市場向けロードマップ

    それに加えて、Adobeが5月1日に発表した「Open Screen Project(OSP)」にも要注目だ。OSPはFlashやAIRのアプリケーションをPCだけでなくディジタル家電やモバイル機器など、あらゆる端末上で動作さられるようにすることを目指したプロジェクトである。

    轟氏によれば、「OSPの目標はFlashおよびAIRをあらゆるスクリーン上で閲覧可能にすること」であり、「これによってどんな環境でも同じFlash/AIRアプリケーションを動作させ、同じユーザエクスペリエンスを提供することができるようになる」とのことである。

    OSPについてはAdobeが1社だけで実現できるものではなく、業界各社との連携を取りながら進めていくことになる。したがってその成果物がいつ提供できるようになるか明言することはできないとしながらも、Adobe社としては2010年くらいを目処に完成した形を見せられるようにしたいとのことだ。

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