WorldWide Telescope(以下、WWT)は、Microsoftから発表された無料の天体観測ソフト。競合するソフトとしては、GoogleのGoogle Earth(Sky機能を含む)があり、両者は共通点も多い。今回は、WWTならではの機能を中心に、レビューしてみたい。

アプリケーションのインストール

まず、公式のWebサイトから実行ファイルをダウンロードする。インストールに際しては、動作環境が適しているか事前に確認しておくことをお勧めする。動作には.NET Framework 2.0以降が必要なので、そちらを先にインストールしなければいけないユーザーもいるだろう。また、このソフトはDirectX 9.0c以降を使用するので、インストールの終盤でDirectXのインストールを求められる。執筆時現在、WWTのバージョンはv.2.1.8.1で、起動時のフラッシュ画面には「Spring Beta」の文字が確認できる。日本語対応も待ち望まれる。

WorldWide Telescopeの公式サイト。右上にあるDownloadをクリックしてダウンロードサイトへ

ダウンロードサイト。Download WorldWide Telescopeをクリックすると、wwtsetup.msiのダウンロードがはじまる。インストーラーをクリックするとインストールが始まる。

星座の表示

メイン画面を起動させると、星座線が引かれた夜空が現れる。オレンジ色の線は星座を囲む線で、画面右下にはその星座の名称(例えば「Leo」(獅子座)など)が表示される。星座を探すときは、画面上方の「Explore」から「Constellations」(星座)を選択しても良いだろう。画面の下方には、その方向にある天体や星雲などがサムネイル表示されている。画像を右クリックすれば、Wikipediaにアクセスすることもできる(図1)。

(図1)画面下のサムネイル「Saturn」(土星)を右クリックしたところ。プロパティを表示したり、自動サーベイ(調査)望遠鏡による画像を表示することもできる。

メイン画面で天体にマウスポインタをあわせると名称が出るが、そのときに、右クリックすると、詳細なデータが確認できる。詳細な情報か、簡単な情報か必要に応じて情報を掘り下げることができる趣向も良心的である。

画面上方の「Explore」から「Hubble Images」「Chandra Images」「Spitzer Images」を選ぶことで、ハッブル宇宙望遠鏡、チャンドラX線観測衛星、スピッツァー宇宙望遠鏡から提供された美しい画像を閲覧することもできる。

(図1)Collections→Hubbles Images→Messier 42を表示したところ。ハッブルからの星雲の写真を表示している