間近に迫った「大型スポーツイベント」。どうせ見るのなら新しいテレビでと、今夏のボーナスで、最新モデルをねらっているという人もいるのではないでしょうか。各メーカーも、力の入れ具合に差はあるとはいえ、大型スポーツイベント商戦に向けた最新モデルをリリースしています。第1回目の今回は、この夏に購入できる薄型テレビについて、どのような項目をチェックしておけばよいのか見ていきたいと思います。

現在、テレビを購入しようとした場合、普通に選択肢に上がるのは、液晶テレビかプラズマテレビということになるでしょう。ブラウン管タイプのテレビにもよい面はあるのですが、現時点では、すでに高品質な大型ブラウン管テレビを新品で購入することはできません。また、中古のブラウン管テレビを何とか調達してきても、デジタルチューナーをどうするのかといった問題や、最近では主流になりつつあるHDMI端子が備わっていないなど、使っていく上で、かなり面倒です。

独自の反射型液晶デバイス「D-ILA」を採用するフルハイビジョンプロジェクションテレビEXE「HD-52MH700」。現在、新品を購入できるプロジェクションテレビはこのシリーズのものだけ

プロジェクションテレビという選択肢もあるのですが、これも、現在、新品を購入することができるモデルは、日本ビクターの製品のみとなり、かなり寂しい状況です(日本ビクターは、4月25日に、「2007年度総括およびディスプレイ事業の経営改革について」という発表を行っており、その中で、国内の民生用液晶テレビは、大画面のシアター向けに特化したモデルに絞り込むとしています。その中では、プロジェクションテレビがどうなるのかは触れられていないのですが、なかなか味のある製品なので何とか残してほしいところです)。

プラズマテレビと液晶テレビですが、大まかにいうと、より大画面で動画にも強くコントラスト比も高いプラズマテレビ、中/小型画面でもフルハイビジョンモデルが選択でき、明所コントラストが高く、比較的低価格なモデルも存在する液晶テレビということになります。

液晶テレビには、多くのメーカーが参入していますが、プラズマテレビは、国内大手家電メーカー製品では、松下電器産業、パイオニア、日立製作所の3社の製品に限られます。パイオニアは、プラズマテレビのみ。松下電器産業は、37V型以上の大画面のモデルはプラズマで、それ以下のモデルは液晶というラインナップです。日立製作所は、50V型/42V型のプラズマテレビと、42V型以下のサイズの液晶テレビをラインナップしています。そのうち、フルハイビジョンモデルは、日立製作所とパイオニアでは50V型以上で、フルハイビジョンパネルを採用したモデルをラインナップ。松下電器産業では、42V型以上で、フルハイビジョンパネルを採用したモデルをラインナップしています。

一方の液晶テレビでは、メーカーにもよりますが、32V型以上のモデルではフルハイビジョンパネルを搭載したモデルがラインナップされているケースが多いようです。現時点での最小のフルハイビジョンモデルは、シャープの販売するAQUOS「LC-22P1」で、名前の通り、このモデルの画面サイズは22V型です。

同じサイズなら、プラズマテレビも液晶テレビも価格はそれほど変わらない

プラズマテレビ、とくにフルハイビジョンのモデルというと、液晶テレビと比べて高価というイメージを持つ人は多いようです。松下電器産業が3月に発表したプラズマテレビVIERA「TH-46PZ800」(46V型フルハイビジョンモデルでデジタルダブルチューナーを搭載する)の、発表時での市場想定価格は43万円前後です。それに対して、5月19日にシャープより発表された液晶テレビAQUOS「LC-46GX5」の発表時での市場想定価格は45万円前後となっており、ほとんど変わりはありません(シャープでは、このGX5の上のクラスの、RX5シリーズも同時発表しており、LC-46RX5のほうの発表時の市場想定価格は53万円前後とプラズマよりも高くなる)。もう少し手ごろなモデルで比較してみると、松下電器産業のプラズマテレビVIERA「TH-42PZ80」(フルハイビジョンモデルでデジタルシングルチューナー)の発表時の市場想定価格は30万円前後で、東芝が4月9日に発表したREGZA「42CV500」(フルハイビジョンモデルでデジタルシングルチューナー)の市場想定価格は25万円前後となっています。これらはあくまでも市場想定価格なので、実際の価格は店頭に行って確かめるしかありませんが、インチ数が同じならば、プラズマでも液晶でも、あまり価格は変わらないというのが実際の所のようです。