【レポート】

日本シーゲイト、29年でHDD 10億台出荷を達成 - 次の10億台は5年で実現と予想

    石川ひさよし  [2008/05/31]

    日本シーゲイトは、Seagate TechnologyのHDD製品出荷累計10億台を記念し、HDDの歩みを紹介する説明会を開催した。

    日本シーゲイト代表取締役社長の小林剛氏は、Seagate Technology設立からの歴史を紹介した。Seagateの設立は1979年。当時の社名はShugart Technologyであり、アル・シュガート氏、ファイニス・コナー氏、トム・ミッチェル氏、サイエド・イフティカー氏、ダグ・メイホン氏の5人の起業家によって設立された。そこから29年経った現在、同社は製品出荷10億台を達成した。

    日本シーゲイト代表取締役社長 小林剛氏

    社名とロゴの歴史

    Seagateの5人の設立者

    HDDの歴史

    Segateが大きく発展した背景として、小林剛氏はSeagateが買収してきたメーカーを1枚のスライドにまとめて紹介した。代表的なメーカーだけとっても、Imprimis、Conner、Quantum、Maxtorなど時代時代で広く知られた社名が並んでいる。HDDメーカーは、かつて数多く存在していたが、それらは統廃合を繰り返し、大手はSeagateを含む7社となっている現状も紹介した。

    拡大してもほとんど文字が読めないと思われるが、これまで数多くの企業がHDDに関わってきた

    Seagateは、Imprimis、Conner、Quantum、Maxtorなどを買収しそれらのHDD技術、製造技術、ソフトウェアなどを吸収してきた

    2003年を境にオフィス向けの伸びをしのぐ勢いで家庭向けのストレージ需要が増加

    淘汰を繰り返してきたHDD業界だが、データ記録に対するニーズは日々高まっている。オフィス向けも、そしてホーム向けも同様の傾向だ。そしてよく用いられる統計だが、近年はとくにホーム向け需要が大きく、「これまでの10億台はオフィスのデジタル化、これからの10億台は家庭のデジタル化」とまとめられている。小林剛氏が要因としてあげたのは、「ハイビジョン化」に代表されるような大容量コンテンツの急増、高速ネットワークによるアップロード・ダウンロード回線容量の拡大、ユーザー制作コンテンツのさらなる急増や、既存の物理的なコンテンツの変化、そしてAV家電や携帯電話、車などでのデジタルコンテンツの利用など。とくに最後の非PC向けのストレージや、PCと非PCとの間でデジタルデータをシームレスに移動させるためのストレージ製品に対する製品の拡充を図っているという。

    米調査会社IDCによるストレージ市場の予測を紹介

    このような需要増を背景に、同社では次の10億台は今後5年で実現するだろうと予測、今後数年にわたり、この拡大傾向が継続するものと見ている。ただし、ストレージ市場も多様化を見せており、特にノートPC分野では新たなデバイスであるSSDが登場してきている。同社はすでにフラッシュメモリを搭載したハイブリッドHDDを出荷しているが、今後はSSDにも参入する見込みだ。小林剛氏は、具体的にはまだ発表段階ではないとするものの、今年中には何かしらのアクションがあるとの見通しを示している。

    説明会では、同社29年のHDDの歩みをふり返る「ハードディスク今・昔」も合わせて紹介があった。同社初のHDD製品となるのは1980年に発売した「ST506」。ST506は、サイズが5.25インチフルハイト、プラッタは2枚で容量が5MB、回転数は3600rpmで、価格は1500ドルといった製品だ。これを現在のCheetah 15K.6と性能比較した表も紹介された。

    HDDの進化、技術を紹介した同社フィールド アプリケーション エンジニアリング部 シニアマネージャーの佐藤之彦氏

    同社初のHDD製品「ST506」。5インチでフルハイト

    ST506の仕様を現在の製品と比較する

    サイズで見ると、1980年当初5.25インチフルハイトドライブでスタートし、1984年の「ST225」ではこれがハーフハイトに小型化され、容量は4倍の20MBへとアップした。さらに同社は1987~88年に3.5インチドライブ、1991年に2.5インチ、2004年には1インチドライブに参入している。回転数では、1992年に7,200rpm、1996年にはCheetahシリーズで10,000rpmを実現し、2000年にはCheetahシリーズが15,000rpmと回転数を更新している。こうしたサイズや回転速度、そしてそれぞれの世代による容量増を実現可能とした技術も合わせて紹介された。

    1984年の「ST225」では5インチのハーフハイトに

    1987~88年には3.5インチへ小型化

    ZBR(Zone Bit Recording)によって記録密度を向上

    Imprimisの買収によって生産量が増大

    1996年にはConnerを買収するとともに10000rpmのCheetahシリーズが登場

    1997年にはHDDの静音性を高めたFDB(流体軸受け)モーターが登場

    2000年に回転数は15,000rpmに到達

    2004年には1インチドライブを発表

    2006年にはMaxtorを買収

    1995~98年の間には復号化の手法がPD方式からPRML方式へと進化。PRMLではあらかじめテーブルを用意しデータ波形のパターン認識を行う

    サーボ面サーボ方式からデータ面サーボ方式に。データ面に記されたサーボ情報からトラッキングを行う

    製造ラインも人力から完全自動化に。1984~89年の生産量は200万台とされ単純に1年で換算すると40万台。今では同社は1日40万台を生産しており、このペースであれば次は5年で10億台という目標も納得できる数値

    記録密度を向上させたヘッド技術の進化

    ヒーターでコントロールすることでヘッドの浮上量を制御するAdaptive FH Control技術

    現行モデルに採用されている垂直磁気記録方式

    同社ラボでは次の技術「熱アシスト磁気記録方式」を研究中

    レーザーを集光させるためのNear-Field Optical Waveguide

    同社は今後も記録密度向上を目指す

    歴代の製品を展示

    これは5インチサイズで3600rpmのWRENシリーズの内部

    ヘッドの小型化の資料

    1インチ用のヘッドともなると豆粒サイズに

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