【インタビュー】
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覚 和歌子さん(左)と谷川俊太郎さん。親指と小指を広げて"かもめ"をイメージさせる"ヤーチャイカ(ロシア語で「わたしはかもめ」)"ポーズで |
1952年のデビュー以来、日本を代表する詩人として第一線で活躍し続ける谷川俊太郎と、映画『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』を手がけたことでも知られる詩人で作詞家の覚 和歌子。現代詩界を代表する2人がメガホンを取った映画『ヤーチャイカ』が5月31日より公開される。ほぼ全編にわたり写真のみで構成された映像と詩と音楽とが融合される「写真映画」という特殊な形式が用いられた同作の公開を前に、詩人である2人が垣間見た「映画の世界」を語りつくす。
13歳のときに谷川さんの朗読を聞き、詩の世界に飛び込むことを決めたという覚さん。「私の人生を決めた人です」と屈託なく笑う彼女と谷川さんが、映画『ヤーチャイカ』で共同監督を務めることになったきっかけはなんだったのだろうか。
覚「私の詩集『ゼロになるからだ』をもとに、写真映画を作らないかとPUG POINT・JAPANの畠中基博さんが提案してくださったのが始まりですね。企画が進行していく中で、監督候補として谷川さんのお名前が出たんです。谷川さんとは、7年ほど前から朗読会などさまざまな仕事をご一緒してきたという縁もあり私から声をかけたんですが、あっさりと引き受けてくださって驚きました (笑)」
谷川「写真映画という形式に興味をもったんです。僕は写真が好きだし、写真と言語テキストの関わりについては長い間考えていたんですよ。通常のムービーよりは簡単そうだと楽観的に引き受けてしまい、後で大変なことになりました(笑)」
寓話的かつ物語性の強い詩が数多く収録されている詩集『ゼロになるからだ』の中から、今回の映画には女性宇宙飛行士をモチーフにした『ヤーチャイカ』という詩が題材として選ばれている。
覚「写真を担当した首藤幹夫さんが『この詩なら撮りやすそう』と言ったんですよ。物語性と写真映画というフォーマットから推測される抽象性とが、いい具合にブレンドされている作品だからでしょう。ただ劇中では、母親との関係性が描かれた部分を割愛しています。『この世にひとりで存在していることはさびしいかもしれない。でも、ひとりは本当に静かで豊かなことなんだ』ということを、男女の物語で語るかたちになっています」
『ヤーチャイカ』あらすじ
もう死ぬしかないと思いつめて小さな村へたどりついた男・正午(香川照之)と恋人を失い心と体に深い傷を負った女・新菜(尾野真千子)を、つかの間結びつけたものは何だったのだろうか。偶然の出会いにより、正午は新菜に惹かれ、新菜も正午との関わりの中で悲しみから解放されていく……
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