軽快に動作する顔認識

顔認識は人物などの顔を判断し、ピントや露出を合わせる機能。スーパーコンパネで顔マークの[顔検出]を選べばいいが、シーンモードの「ポートレート」など、人物関連のモードでは顔認識が自動でオンになる。

顔認識はライブビュー撮影であれば、コントラスト検出AFはもちろん、位相差式の「全押しAF」「ハイブリッドAF」でも機能する。ただし位相差式ではAFポイントが3点に限られるため、認識した顔にもっとも近いAFポイントでピントが合う。これはちょっと顔認識というには違和感があるし、正しくピントが合うとは限らない。素直にコントラスト検出を使うべきだろう。

また、AFポイントを1点に固定して使っている場合、顔認識をオンにしても固定したAFポイントが優先される。顔認識のためにはAFポイント(AFターゲット)も自動選択に切り替えなければならず、面倒に感じる。そこでお薦めなのは「フェイス&バック」だ。認識した顔と背景の明るさのバランスなどを自動で調整する機能で、標準では十字ボタンの左(Fnボタン)に割りつけられている。「フェイス&バック」を使うためにはライブビュー中のAF方式が「イメージャAF」、測光方式が「中央重点平均測光」、階調が「オート」、AF方式が「S-AF(シングル)+自動選択」でなければならないが、これらがボタンひとつですべて切り替わる。これなら通常撮影から顔認識への移行もわずらわしくない。

顔認識の性能はなかなかいい感じだった。メガネをかけた人物はもちろん、人形やおもちゃのサルまで認識した。常に画像をモニターしているようで、それらしい被写体がフレームに入ると、即座に白い枠が現われて顔を認識する。ただ、ある程度の顔の大きさは必要なようで、カメラ横位置の状態で、フレームに立った人物のつま先まで入れると顔を認識しないこともあった。腰から上なら大丈夫だ。また「フェイス&バック」はもちろんだが、顔認識では露出も顔に合わせて補正されるのも確認できた。

些細なことだが、十字ボタンの左に「フェイス&バック」が割りつけられているのが気になった。触れやすい場所なので、気付いたら顔認識がオンになっていたこともある。いい機能なので、専用ボタンを設けるか、ライブビューボタン2度押しで顔認識に切り替わるなど、もうひと工夫あってもいいのではないか。

スーパーコンパネにも顔認識が設けられている

顔認識はオン/オフのみ。笑顔認識などは搭載されていない

十字ボタンの左に割りつけられている「フェイス&バック」。顔認識を使うならこれだろう

人形はもちろん、サルも認識。人間ならメガネや斜め向きの顔でも認識した

顔認識でピントが合うと緑枠が一瞬現れ、右上に合焦マークが表示される

位相差式での顔認識。この場合、3点のAFポイントの左側で合焦する

コントラスト検出の使えるレンズが少ない

コントラスト検出のオートフォーカスや顔認識も含め、E-420のライブビューはとてもよく考えられているし、よくできていると思う。現在、もっとも進んだライブビューだろう。

最大の難点は、コントラスト検出が使えるレンズが限られること。どのレンズでもかまわないような気がするが、やはり最初からコントラスト検出を想定して設計したレンズでないと使えないのだという。

現在のところ、E-420とセットになる14-42mmと40-150mm、そしてパンケーキの25mm F2.8の3本。そのほかパナソニックのレンズ3本も指定されている。また5月13日に発表された超広角の「ED 9-18m F4.0-5.6」もコントラスト検出に対応しているが、発売が年内ということなのでもう少し先になりそう。また、今後登場するレンズは、極力コントラスト検出に対応して行くということなので、期待して待ちたい。

そのほか気になる点は、やはりバッテリーの消費だろう。1時間ほどライブビュー状態であれこれいじっていたら、バッテリー減のマークが出た。ボディもけっこう暖かくなる。かといって、温度上昇で使えなくなることはなかった (熱くなると「しばらく使用できません」というメッセージが出るらしい)。ライブビューを多用するなら、予備バッテリーを用意しておきたい。

ライブビュー中の情報表示。さすがにスーパーコンパネを出すと像が見えないので、情報は右端に

リアルタイムのヒストグラム表示も可能。表示切り替えは[INFO]ボタン

露出補正やホワイトバランスは一覧からも選択できる

カスタムメニューに含まれる罫線表示。標準では「OFF」

これは罫線の「方眼」表示

これは罫線の「目盛」表示