【レポート】
米MicrosoftのVincent Tao氏が、マッピングの専門家の立場から1.0から2.0への進化を説明するとともに、2.0世代に向けたVirtual Earthの取り組みを披露した。同氏はVirtual EarthおよびLocal/Mobile Search部門のシニアディレクターを務めている。
Webを通じて世界中のニュースをリアルタイムで入手でき、世界中のあらゆる情報を検索できるなど、インターネットは情報伝達やコミュニケーションから距離という要素を取り払ってしまった。このメリットはサービスにも波及し、例えばEコマースでは場所を問わずに、価格とサービスだけを比較して品物を購入できるし、ソーシャルネットワークではどこにいても常に友人や家族とつながっていられる。Webにおいては「距離を消失させる」ことが"Where 1.0"だったとTao氏。ところが距離が問われなくなるにつれて、実際の生活において人々の行動範囲が次第に集中化するようになってきた。Tao氏が示したある調査結果によると、通勤距離についてアンケート回答者の72%が自宅から職場まで車で20分以内の近さを望んだという。テレコミュートを利用して、自宅から仕事をこなす例も増えている。このように人々の行動範囲が狭くなるにつれて、ローカル情報の重要性が高まり、近年ではローカルに関連づいた検索が1/3を占めるようになったそうだ。つまり「ロケーションが問われる」のが"Where 2.0"だという。
「これまでの検索のキーワードと同じように、ロケーションは情報やデータを整理するための基本的なインデックスと考えられるべきだ。われわれは2.0へと進むにあたって、"空間情報を整理する"ことから"情報を空間的に整理する"ようになる」と述べた。
さらに同氏は「ロケーション・ベースのサービス (Location based sevices)」と「ロケーションを利用したサービス(Location powered serveces)」という言葉を使った。現在人々がローカル情報をどのように探しているかというと、ポータルや検索、ソーシャルネットワーク、エンターテインメント、Eコマース、コミュニケーションなどが入り口になっている。SNSを例にすると、ユーザーの目的はソーシャライズであり、ロケーションはサービスの価値や利便性を高める要素に過ぎない。つまり、これらはロケーションを利用したサービスであり、ロケーション・ベースではないのだ。
しかしSNSを初め、今利用されているサービスやコミュニケーションの多くがロケーションに結びついているという事実は、ユーザーがロケーションを重視する傾向が強まる中で、ロケーションを起点とした情報整理やサービス展開の可能性を示すものである。現在、人々のローカル情報の検索方法は、PCが71%と圧倒的で、印刷物の21%、電話(音声)の5%が続く。ロケーションが色濃く関連する電話(データ)は2%、車載デバイスはわずか1%にとどまる。だが、年間成長率の見通しはそれぞれ71%と20%と大きい。これからはW3(What、When、Where)からW4(What、When、Where、Who)が問われるようになるとTao氏は予言した。
後半はVirtual Earthの新機能紹介だった。
「Virtual Earthは業界最大規模のマッピング・プロジェクトだ」とTao氏はアピールした。人口分布地域の80%のイメージをカバーし、3Dモデル化された都市は500に達している。セッションではバージョン2にアップグレートされたばかりの3Dモデル都市の例がいくつか披露された。テクスチャの解像度、3Dモデリングが改善され、建物や木々がより写実的に。このv2を使って、街の東側から日が昇り、暮れていくまでの様子をビデオで美しく再現したデモが行われた。またフットボールスタジアムのイメージに座席区画番号をかぶせたユーザー生成マップが紹介された。MicrosoftはMapCruncherというマップや写真を手軽かつ正確に配置できるアプリケーションを用意しており、これがVirtual Earth 3Dに統合されている。ユーザー生成型コンテンツへの対応や開発者の参入の促進がVirtual Earthの基本戦略であり、そのためKMLサポートも積極的に進めている。
MicrosoftにとってVirtual Earthは可能性を引き出すプララットフォームという位置づけだという。「われわれが望んでいるのは、たった1つの地球ではない。ぜひとも数百万の地球を実現するエコシステムをつくり出して欲しい」と会場の参加者に訴えた。
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