【レポート】

「飾り巻きずし」を習得してこそ一人前だ!? 女だらけの厨房に男子潜入す

    新井早苗  [2008/05/16]

    人の顔や動物、文字などの図柄をあしらった「飾り巻きずし」をご存知だろうか? 見た目にも楽しいこの巻きずしは、江戸前寿司の伝統技術である「細工巻き」と呼ばれる模様のあるのり巻きと、千葉県山武地方に伝わる郷土料理「房総の太巻き寿司」を融合したものだという。飾り巻きずしをつくれればホームパーティーやちょっとした集まりにも腕をふるえるはず! そこで今回は、その技術を習得すべく東京すしアカデミーが開催する「飾り巻きずし体験講座」に潜入した様子をレポートしたい。

    同講座は全くの初心者でも歓迎だと聞き、当日は「女のコにもうける一芸を身につけたい!」と参加を希望してきた知人のT君を引き連れ参加。撮影は筆者が、調理はT君にお任せすることにした。独身故に普段料理はつくるけれど、"巻きす"を使うのは初めてというT君でも簡単につくることができるのか? ちょっとした不安を残しつつも講座は始まった。

    講座会場は女性だらけ……。大丈夫か? T君

    「慣れてくると男性のほうが凝りだす人が多いんですよ」と中川さん

    この日の参加者は約20名で「外国人の知人に日本料理を振る舞いたい」「パーティーメニューのひとつとして習得したい」「飲食店運営のスキルアップとして」など参加理由はさまざま。中には、飾り巻きずしのかわいさに一目惚れし、名古屋からはるばる東京にやって来た参加者もいた。

    講座でつくる飾り巻きずしは2作品だが、巻きすの使い方に慣れるために手始めとして簡単な巻きずし(写真1)をつくることに。「巻きすの使い方さえ覚えれば簡単ですよ」と先生を務める中川千春さんが手際良く見本を披露。その後、各自作業に入る。T君も早速、シャリを掴み、巻きすの上にのせていく。

    ステップ1「基本の巻きずし」

    写真1:5つ合わせると花模様となる

    使用する具材はあらかじめ用意されている

    海苔のうえにシャリを2カ所に分けてのせる

    シャリをつぶさないように均等にふんわりと広げる。手が温かいほどシャリがくっつきやすいので、手を洗って冷やすと良いそうだ

    おぼろ、たくあん、きゅうりの3つ食材を巻き込んでいく

    横のはみ出した具材を押さえる。ここでしっかり押さえておくことで切るときに模様が崩れにくくなるのだという

    包丁は乾いているとシャリがくっついてしまうので塗れた布巾でふくか、水滴をたらして湿らす

    五等分のはずが四等分になってしまったが、なんとか完成

    作品の出来は、初めてにしてはまずまずといったところだろう。「けっこうつくれちゃうものなんですね」とT君も嬉しそうだ。そして、自信がついたところで次のステップ「かえる」(写真2)の飾り巻きずしづくりへ。チーズかまぼこやソーセージといった丸い具材を芯として巻くタイプの「かえる」は初心者向けなのだという。"かえる"らしい色を表現するために青海苔と白ゴマ、マヨネーズが入った緑色のシャリを使用する。なお、シャリにマヨネーズを少量加えると"だま"になるのを防ぐ効果もあるのだという。

    ステップ2「かえる」

    写真2:先生がつくった「かえる」。目の部分に山ごぼうや海苔でアレンジを加えると表情豊かなかえるになる

    かえるの口となるソーセージ。二等分したものを海苔で巻いてある

    シャリを海苔の上に敷き詰めたら裏返す

    目となるチーズかまぼこを両サイドに

    真ん中の部分にシャリを追加し、そのうえに先ほどのソーセージをのせる

    これを巻いて形を整えていくと……

    4匹のかえるが完成! 若干いびつなかえるもいるが、それもご愛嬌

    2つの作品を作り終え、T君もだんだんコツを掴んできた様子。「集中したいから話しかけないでくれ」という真剣な姿勢をみせ、最後の作品となる「桃の花」(写真3)づくりに移る。この飾り巻きずしでは、細巻とチーズかまぼこを組み合わせ、桃の花に見立てている。ピンク色のシャリを使い、ホームパーティーにも"華"を添える一品だ。

    ステップ3「桃の花」

    写真3:でんぶと明太子を混ぜ合わせることで花びらの桃色を表現する

    桃色のシャリをまずは5等分にし、5本の細巻きをつくっていく

    完成した細巻きとチーズかまぼこを組み合わせる

    隙間に野沢菜を添え、海苔のバンドで固定し花図柄部分の出来上がり

    とびっこと白ゴマを振りかけたシャリで花図柄部分を巻き込んでいく

    形を整えて完成。なかなかキレイに仕上がっている

    完成したT君の「桃の花」は「男性なのに器用ですね」と隣でつくっていた女性参加者から褒めていただくほどの仕上がりだった。中川さんいわく「何度も作っていくうちに手が慣れて、自然とキレイな仕上がりになっていく」のだという。どの参加者も美しく仕上がった桃の花模様の飾り巻きずしを前に満足げだ。調子にのって「写真を撮っていただけの人には、この面白さはわかりませんよね」と言い出すT君は、今度のバーベキューで知人に披露しようと、終始ご機嫌な帰り道なのであった。

    難しそうなイメージに反して、意外とお手軽につくれることが判明した飾り巻きずしは「アレンジ次第でさまざまな図柄にチャレンジできるのも魅力」(中川さん)なのだとか。発行されているレシピ本などを参考に記念日やお弁当の一品として、ぜひ一度ご家庭でも試してみていただきたい。

    なお、飾り巻きずし講座は今回の「飾り巻きずし体験講座」の他に、インストラクターを目指す「飾り巻きずしインストラクター認定講座」などのコースも用意されている。詳細は東京すしアカデミー公式サイトにて。

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