【レポート】

巨大ウサ星人がやってきた!?--"カワコワイ"フシギドーブツが美術館に大集合

1 ミッション1:フシギドーブツをつくる

    新井早苗  [2008/04/04]

    ミヤタケイコ:立体造形作家。ぬいぐるみデザイナーを経て、1994年より本格的に創作活動をはじめる。動物や物をサンプリングしたようなカワコワイ(可愛くて怖い)奇妙なぬいぐるみ状の立体を制作する傍ら、CDジャケット用(吉川ひなの、村上ポンタ秀一、チャラ他)や舞台用の制作を手がけるなど幅広く活動中

    「子分のフシギドーブツたちよ、オレの代わりに美術館のオモロい場所を探して報告しておくれ! 待ってるぞ!!」。春うららかなある日の午後。ウサ星人からの指令を受けた私は、導かれるままに東京都現代美術館(東京都江東区)へと向かった。

    ……という冒頭から始まると、誤解を受けそうだが、これは東京現代美術館で開かれたワークショップの設定、もちろんフィクションである。

    立体造形作家・ミヤタケイコさんを招いてのワークショップ「ウサ星人とフシギドーブツのMOTオモロ旅! ~美術館のオモロスペースを探せ!~」では、ミヤタさんのつくるウサ星人の子分である"フシギドーブツ"を制作。後半は、美術館内外にフシギドーブツたちを連れ出してオモロスペースを探し、ウサ星人に報告書を作成するというミッションが参加者に下される。ミヤタケイコさんによると、「縮尺を間違えて巨大な体になってしまった"ウサ星人"は、せっかくMOTに来たのに大きすぎて見学できない」とのこと。そこで前述の「子分のフシギドーブツたちよ……」、という今回のワークショップの前振りにつながるのだ。こんな面白そうな企画であれば、是非レポートしたい! ということで取材に訪れたという訳だ。

    大きくなりすぎてしまったウサ星人。このままでは東京都現代美術館を見学できない

    用意されていた見本の"フシギドーブツ"たち

    対象年齢が高校生以上~一般である同ワークショップには、定員いっぱいの20名のオトナが集まっていた。

    参加者は5つのグループに分かれ、各々選んだ"フシギドーブツの素"を手に制作にとりかかる。色やカタチもさまざまだ

    私が選んだのはピンク色の"フシギドーブツの素"。2枚の布を合わせ、一部分を残し縫って閉じてある

    ファーやフェルト、ビーズなど……。これだけ揃うと創作意欲がかき立てられる!

    ぬいぐるみの中に入れる詰めものはふわふわの綿(左)か粒子状のペレット。この中身選びで完成するぬいぐるみの手触りが左右される

    ふわふわのフシギドーブツをつくるべく、綿を選択

    「"コの字とじ"ね」とミヤタさんがお手本を見せてくれる。コの字とじとは、ぬいぐるみをつくるときに、あき口を閉じるのに使う縫い方だとか

    ぬいぐるみの本体が出来上がったら、ファーやフェルトなどを縫いつけたり、貼ったりして飾りつけていく

    ふわふわな綿や色とりどりのフェルト、毛糸などの材料に、幼い頃のおままごとを思い出して、俄然やる気になってしまった私。"好きなもの"を"好きなだけ"つかって、"好きなように"つくっていい、という制作工程が脳みそをほどよく刺激してくれる。ミヤタさん曰く、「日常的なことを忘れて、いつもは使わない感覚を使っていく」行為なのだとか。

    片面全てをファーで包んでしまうというユニークな発想

    乙女パワー全開。目元のビーズづかいに加え、耳元にもピアスという凝りよう

    こだわってるなぁ。足先に色違いのビーズが丁寧に縫い付けている

    これは……? カラフルなブタ鼻が背中にもずらり

    カラフルなファーや鮮やかなスケルトンビーズに囲まれ、もくもくと作業に没頭していると、「あと30分ですよ~。凝りすぎに注意してくださいね(笑)」とのミヤタさんの声。約一時間半という制作時間にも関わらず、どの参加者も飽きることなくなかなか手を休めないのだ。オトナたちが嬉々としてぬいぐるみと戯れている姿は、なんだか微笑ましい。

    フシギドーブツ完成! ミシェル・ゴンドリー監督の映画『恋愛睡眠のすすめ』に登場する馬をイメージして制作するも「あの馬はピンクではなかった!」というツッコミにあう……

    女性が多かったワークショップには2人の男性参加者の姿が。おもちゃメーカーに勤務しているという男性の作品は、ぬいぐるみ全体を顔に見立てるアイディアが斬新!

    フシギドーブツが完成すると、彼らの名前を考えながらのお昼休憩となった。後半は、いよいよフシギドーブツたちを連れて美術館探検へと向かう。

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