【レポート】
東京都は3月29日から31日までの3日間、東京下町にある水辺の観光ルート形成の一環として、水上で下町の観光スポットを巡る「お江戸下町乗船モニター」を実施した。JR両国駅すぐそばの隅田川にある「両国船着場」を出発。50人乗りの大型船「オリエンタル号」で隅田川を下り、清洲橋の手前で小名木川に入り、高橋船着場へ。ここで小型ボートの「さくら」と「清流」に乗り換えて分乗し、小名木川を東へと向かう。途中、"日本のパナマ運河"なる扇橋閘門(おうぎばしこうもん)通過という一大イベントが待っている。さらに小名木川が荒川と合流する番所橋で、ふたたび大型船「あらかわ」に乗り換え、荒川を下って夢の島手前で埋立地の間を抜け、晴海埠頭で隅田川に入り越中島船着場に戻る。約2時間半の船旅だ。今回は、その中からハイライトともいうべき小名木川と隅田川の船旅、そして扇橋閘門通過の模様をレポートする。
東京都では、2006年2月に「東京の水辺空間の魅力向上に関する全体構想」を策定して公表。今後10年間で、「水辺の賑わい」「舟運」「水辺景観」「水辺環境」の4つの視点から事業を展開し、来訪者にも居住者にも魅力的な水辺の都市空間の実現を目指するという。今回の「お江戸下町乗船モニター」は、この全体構想を受け、水辺の観光スポットを調査するとともに、東京の水辺の観光資源をもっと多くの人に知ってもらおうと、東京都産業労働局観光部が主催した。
江戸時代の東京は"水の都"だったという。市中には川と運河が縦横に張りめぐらされ、江戸市民の暮らしや産業を支えていた。現代でいうなら、道路や鉄道に匹敵する重要な社会インフラだった。中でも今回の「お江戸下町乗船ツアー」のコースとなった深川一帯は、幕府が作った運河である小名木川をはじめとして、今も"水の都"の面影を色濃く残している。
事前に募集した乗船モニターは、3日間で計180人。応募多数のため抽選で選ばれた当選者は、20人ずつに分かれて船に乗り込む。残念ながら乗船モニターに外れた方のために、小名木川の高橋(たかばし)船着場と越中島間でフリー便が運行された。こちらは並びさえすれば誰でも自由に乗船できる。サクラの満開とちょうど時期が合った上、連日の好天にも恵まれて、フリー便には3日間で1,324人もの乗船があった。それではいざ、水の都を巡る旅へ出かけよう。
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