【レポート】

第7回東京アニメアワード授賞式 - ノミネート部門大賞は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

 

東京ビッグサイトにて3月29日、「第7回東京アニメアワード表彰式」と「第4回功労賞顕彰式」が行われた。両イベントとも「東京国際アニメフェア2008」の一環として行われている。

2006年12月1日から2007年10月31日までの間に国内で放送・上映・販売された457本の商業作品(テレビ用308作品、劇場用47作品、オリジナルビデオ91作品、海外劇場用11作品)のうち、最も優れた作品に贈られる「アニメーション オブ ザ イヤー」は劇場用アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が受賞。同作品の庵野秀明総監督は監督賞も受賞した。

昨年6部門を制覇した『時をかける少女』ほどではないにせよ、全4部作の序章にあたる作品が受賞、という結果は同作品の支持の厚さをうかがわせている。作品を代表して、大月俊倫エグゼクティブプロデューサーは「本当に歯を食いしばってがんばったスタッフに最高のごほうびだと思います。みなさま、応援本当にありがとうございました。次作もがんばります」とコメントした。

ノミネート部門ではこのほかに『河童のクゥと夏休み』『天元突破グレンラガン』『鉄コン筋クリート』がそれぞれ2部門で受賞している。

第7回東京アニメアワード ノミネート部門受賞作一覧
賞名 受賞作品・受賞者
アニメーションオブザイヤー ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
テレビ部門/優秀作品賞 電脳コイル
天元突破グレンラガン
劇場映画部門/優秀作品賞 河童のクゥと夏休み
海外劇場部門/優秀作品賞 レミーのおいしいレストラン
オリジナルビデオ部門/優秀作品賞 茄子 スーツケースの渡り鳥
監督賞 庵野秀明(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』)
原作賞 松本大洋(『鉄コン筋クリート』)
脚本賞 原恵一(『河童のクゥと夏休み』)
美術賞 木村真二(『鉄コン筋クリート』)
キャラクターデザイン賞 錦織敦史(『天元突破グレンラガン』)
声優賞 宮野真守(『機動戦士ガンダム00』『DEATH NOTE』)
音楽賞 菅野よう子(『劇場版アクエリオン』)

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(アニメーションオブザイヤー)の大月俊倫エグゼクティブプロデューサー

左より『電脳コイル』の磯光雄監督(テレビ部門/優秀作品賞)、『天元突破グレンラガン』(同左)の今石洋之監督、『茄子 スーツケースの渡り鳥』(オリジナルビデオ部門/優秀作品賞)の平山宏志プロデューサー

左より『レミーのおいしいレストラン』(海外劇場部門/優秀作品賞)のウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン・岸葉子さん、『河童のクゥと夏休み』(劇場映画部門/優秀作品賞)の茂木仁史プロデューサー

左より松本大洋さん(原作賞)の代理として堀靖樹さん、原恵一さん(脚本賞)、庵野秀明監督(監督賞)の代理として大月俊倫エグゼクティブプロデューサー

左より木村真二さん(美術賞)、錦織敦史さん(キャラクターデザイン賞)、菅野よう子さん(音楽賞)の代理として佐々木史郎さん

東京国際アニメフェアのイベント会場から駆けつけた声優賞の宮野真守

ノミネート部門と並んで行われた公募部門には、合計466件(一般部門178件、学生部門288件)の応募作が集まった。これは昨年の217件からは倍増以上の伸びとなる。なかでも海外からの応募がとくに増えており、日本国内の172件(昨年度154件)に対して、海外からは294件(昨年度63件)の応募があった。東京アニメアワードが海外から注目されるようになった証……と言うにはいささか過剰なほどの伸びで、そのためか上位入賞作は海外勢がほぼ独占する状況となっている。内訳は韓国から123件、中国から49件、台湾から32件、フランスから30件、カナダから24件と続いている。

『Adventures in the NPM』でグランプリを獲得した台湾のヘレン・パオ・ユン・ホァンさんは「この作品では故宮博物員の歴史文物が描かれていて、それぞれにその時代のクリエイターの思いが込められています。弊社の若いスタッフの新しい感性によってアニメーションにしました。今回このような賞をいただけて大変感謝しています」と喜びの声を語った。

第7回東京アニメアワード 公募部門受賞作一覧
賞名 受賞作品 受賞者
公募作品グランプリ Adventures in the NPM ヘレン・パオ・ユン・ホァン
(Helen Pao-Yun Huang)
一般部門/優秀作品賞 Ark グジェゴジュ・ヨンカーティス
(Grzegorz Jonkajtys)
The Lost Puppet モイン・サマディ
(Moin Samadi)
学生部門/優秀作品賞 THE CLOCKWORK CITY 加藤隆
BistRobot アレクサンドル・マルシャン
(Alexandre Marchand)
特別賞 Christmas in Taxi チョ・ヨンクァン
(Jo Young-Kwang)
A・I・I賞 コルボッコロ 糸曽賢志
TOKYO MX賞 JIRO AND MIU 仁藤潤
東京ビッグサイト賞 ラブ・ローラーコースター 堀江弘昌
日経エンタテインメント!賞 BLOCK MAN 村越陽平
公募作品入選 mama & marmalade & me 山下順平
雲の人 雨の人 上甲トモヨシ
フライパンの上のたまご 吉田直弘
大喜利戦隊 アイウエオー 日本工学院クリエイターズ
カレッジ・文化放送

『Adventures in the NPM』(公募作品グランプリ)のヘレン・パオ・ユン・ホァンさん

宮博物館を舞台にした『Adventures in the NPM』。動かないものが動き出す、アニメの原点を重視したことが評価された
(C)Digimax, Inc.(C)National Palace Museum

『Ark』(一般部門/優秀作品賞)のグジェゴジュ・ヨンカーティスさん

未知のウイルスで滅亡の渕に立った人類が航海に出る『Ark』。SIGGRAPH2007でも最優秀作を受賞
(C)Raiavin Studio

ビデオレターでメッセージを伝えた『The Lost Puppet』(一般部門/優秀作品賞)のモイン・サマディさん

操り人形の旅路を美しくも悲しい音楽と映像美で描写した『The Lost Puppet』

左より『THE CLOCKWORK CITY』(学生部門/優秀作品賞)の加藤隆さんと『BistRobot』(同左)のアレクサンドル・マルシャンさん

『Christmas in Taxi』(特別賞)のチョ・ヨンクァンさん

『コルボッコロ』(A・I・I賞)の糸曽賢志さん

『JIRO AND MIU』(TOKYO MX賞)の仁藤潤さん

『ラブ・ローラーコースター』(東京ビッグサイト賞)の堀江弘昌さん

『BLOCK MAN』(日経エンタテインメント!賞)の村越陽平さん

左から『mama & marmalade & me』(公募作品入選)の山下順平さん、『雲の人 雨の人』(公募作品入選)の上甲トモヨシさん、『フライパンの上のたまご』(公募作品入選)の吉田直弘さん、『大喜利戦隊 アイウエオー』(公募作品入選)の恵まどかさん

アニメーション産業の地位向上に寄与した人物を顕彰する「功労賞」には、今回は7名の先達者と2組の団体が選ばれている。

第4回功労賞
受賞者 プロフィール
大塚康生 アニメーター(『太陽の王子 ホルスの大冒険』
『未来少年コナン』など)
清水達正(故人) アニメ撮影スタッフ(『鉄腕アトム』『巨人の星』など)
田代敦巳 アニメ音響スタッフ(『ルパン三世』『宇宙戦艦ヤマト』など)
鳥海尽三(故人) 脚本家(『昆虫物語みなしごハッチ』
『科学忍者隊ガッチャマン』など)
村田英憲 エイケン代表取締役会長(『忍風カムイ外伝』
『サザエさん』など)
やなせたかし 絵本作家(『アンパンマン』『やさしいライオン』など)
渡辺岳夫(故人) 作曲家(『アルプスの少女ハイジ』
『キューティーハニー』など)
コロムビアミュージック
エンタテインメント
レコード会社(『マジンガーZ』『キャンディ・キャンディ』など)
太陽色彩 絵の具会社(ほぼすべてのアニメ制作会社に製品を販売)

ベテランアニメーターの大塚康生さん。『ルパン三世 カリオストロの城』『劇場版じゃりン子チエ』など宮崎・高畑作品にも多数関わっている

音響監督の草分けであり、グループ・タックの代表も務める田代敦巳さん。ちなみに『トップをねらえ!』タシロ艦長のモデルとしても有名

『サザエさん』などを手がけるエイケン会長の村野英憲さん。「エイケン」の社名は名前の「英憲」を音読みしたもの

『アンパンマン』でおなじみのやなせたかしさんは御歳89歳! 受賞の気持ちを歌で高らかに表現し、会場も手拍子で応えた

太陽色彩の北村繁治社長。現在も唯一のセル画アニメ『サザエさん』用に絵の具を製造し続けている

功労賞を受賞したコロムビアミュージックエンタテインメントの代表曲『マジンガーZ』『キャプテンハーロック』を水木一郎さんが熱唱

表彰式の最後には、東京国際アニメフェア実行委員長である、石原慎太郎都知事が登壇。「今年で7回目になりまして、年ごとに盛況になって大変感謝して喜んでいますけども、アニメはこれからいろんな問題にぶつかっていくと思います。アニメがひとつの文化であることは誰も異論がない。しかしその文化が収斂された芸術であるかどうかはなかなか難しい問題があります。また同時に片一方で商業性というのが要求されます。この非常にアンビバレントなファクターをどうこなして、アニメが真の文化たり得るか、芸術足り得るかということは大変難しい問題だと思います。そういう点でますますみなさんのご努力とその成果を期待しております。また来年も会いましょう。ご苦労様でした」と述べて、式を締めくくった。

あいさつに立った石原慎太郎都知事。昨年は川本喜八郎が人形アニメで取り組んだ『死者の書』を劇場で鑑賞したとか

第7回東京アニメアワード受賞者

第4回功労賞受賞者

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