「花とゆめ」(白泉社刊)で連載中の『S・A(スペシャル・エー)』が、2008年春よりアニメ化されるのは既報でもお伝えしたとおり。今回は、その登場キャラクターに声を吹き込む声優陣へのインタビューが、都内某所のアフレコスタジオにて行われた。そこで語られた、キャラクターへの想いや意気込みをお伝えする。

『S・A(スペシャル・エー)』

<ストーリー>
舞台は『私立白選館学園高校』。この学校の最も優秀な7名が集まる「SA」組に所属するのは主人公・華園光、滝島彗、東堂明、狩野宙、山本芽、山本純、辻竜。光は、6歳の時にプロレス勝負で敗れた屈辱をはらすべく、打倒・滝島彗に燃える努力の女。普通の大工の娘ながら、このエリート校に通い続けている。彗をライバル視し、何度も勝負を挑むが、頭脳、体力、何をしても勝つことができず、万年学年2位の成績……。この物語は、「打倒・滝島!」に燃える光の、汗と涙とちょびっとLOVEの極楽エリート学園ライフ!

華園光

滝島彗

東堂明

狩野宙

山本純

山本芽

辻竜

今回、インタビューに出席したキャストは、後藤邑子(華園光役)、福山潤(滝島彗役)、生天目仁美(東堂明役)、下野紘(狩野宙役)、代永翼(山本純役)、高垣彩陽(山本芽役)、堀江一眞(辻竜役)の7名。プライベートな内容や個人の想いが色濃く出つつも、笑いの絶えない和やかな雰囲気で行われた。

自分の役柄と似ているところ

後藤「華園光はキャラの中で唯一セレブではなくて、大工の棟梁の娘です。努力型の女の子で、常に前向き、元気、そして勝負が好きで、何に対しても全力で頑張るんです。勉強も運動も頑張ることってかっこいいなぁ、と改めて思わせてくれる、そんな魅力的な女の子だと思います。似ているところは私、学生時代は勉強も運動も遊びも大事にしていました。部活で友達との付き合いも大事にしていたし、勉強もガリ勉でいい大学に入りたいと思っていたし。すべてに全力投球した挙句、学生時代に過労で2回入院したという……そういうところは似ていると思いますね(笑)。」

福山「滝島彗は何でもこなすパーフェクト超人なのですが、数少ない好きなものに関しては、周りの目を気にせず没頭する様が最大の魅力です。けれど、多分それが報われないところが彼の一番いいところなんだと思います。そんな彼に似ているところがあるとすれば……ないですね(笑)。(自分は)なんでもできるわけではないですからね。ただ好きな子に小学生レベル的ないじめをしてしまうというところは、人間的に似ていますね(一同笑)」

生天目「東堂明は、航空会社の社長令嬢なんですけれども、ティータイムと女の子が大好きな女子です。特に光のことが大好きで、擦り寄ってはケンカしたりする、そんな立ち位置です。私と似ているところは、女の子が好きなところです、はい(笑)」

下野「狩野宙は学園理事長の息子で、学園内でなにかあれば母親に怒られながら頼み込んでいるキャラですね。一応セレブなんですが、見た目全然セレブらしくなく野性味にあふれています。あと、食べ物があるとつまみ食いしてしまうなど、意地汚いところもあります。このSAの中では一番の殴られ役というか、明に一方的に殴られに行っているのではないかな? というぐらい殴られています。そういうところが魅力ですね。似ているところは、アフレコ現場ではよく食べ物が用意されているんです。それをつまんでいるところが、よく宙に似ているねって言われるんで、意地汚いところが似ているんではないでしょうか(笑)」

代永「僕が演じる山本純は、普段おっとりしたようなかわいらしい容姿をしていますが、実は女の子にキスされると、もうひとりの人格が登場するという、ちょっと裏を持った役柄です。自分と似ているところは、音楽が好きなところですね。あと、裏人格になったときは自然にできるかな、と思っています(笑)」

高垣「山本芽は純の双子の姉で、とても音楽の才能にあふれた子なんです。歌を歌うために喉を傷つけないよう普段はしゃべらず、スケッチブックを使った筆談で会話をするという個性的なキャラクターです。歌い手としてプロフェッショナルで、自分に厳しい魅力的な子だなぁと思いますし、とても仲間思いの優しい子。そういうところも素敵だなぁと思いますね。でも若干腹黒い面もあったりして……そういうところも大好きです。似ているところは、私も歌が好きなので彼女くらいストイックになれたらいいんですけれどもね。あと、芸術を愛する面とかはあやかりたいなぁとか、似たいなぁと思います」

堀江「辻竜は、スポーツメーカーの社長子息です。竜はSAメンバーの中では控えめで、落ち着いていて、メンバーの中では優しいまとめ役といった感じです。自分と似ているところは……動物が好きだというところです! 小学生のとき家の事情でペットが飼えなくて、代わりに小学校で飼育委員をやっていた程です。あと、竜と同じく子どもにはモテるんですよ。そのモテ方の勢いは……同世代の女の子以上だったりします(笑)」

ヒロインの光。後ろでは明と宙のやりとりが

常にクールで何事にも完璧な彗

光と明

左から竜、純、芽

コミカルな描写も見どころのひとつ

作品の見どころと視聴者へのメッセージ

後藤「ドラマが盛りだくさんで、見ていて笑えるシーンもあれば感動する切ない思いをするシーンもあって、そういう意味で非常にメリハリのある作品だと思います。セレブといっても割とみんな等身大の気持ちを持っていたり、すごく直球勝負をしている作品だと感じました。役者の私たちも、こんな面白いことを言ってみようとか、ここでアドリブを入れてみようとか積極的にやっていて、またそれがやれる環境なんです。そういうテイク、OKしちゃうのか!? というスタッフ側の度量、エンタテインメントに徹する姿勢が素晴らしいなと思います。原作を読まれている方も楽しみに見てください」

福山「いろいろ言いたいことはたくさんあるんですけれど、アニメ版の最大の魅力と言いますと、原作を知っている方も知らない方もすんなり(物語に)入れるような作り方をしている。アニメーションとしてのエンタテインメントをみなさんに提供しよう、という心意気が前面に出ている作品だと思います。ドタバタあり、ギャグあり、そしてシリアスありとメリハリがみなさんに受け入れやすいようにスタッフも試行錯誤して、それをいい形でフィルムに反映してくださっています。我々もそれを伝えられるように毎週アフレコを頑張っています。原作読者の方もこれから見られる方も飽きさせない作りとなっておりますので、ぜひぜひ楽しみに見てください」

生天目「作品の魅力はたくさんあるんですけれど、1つ挙げるとするならば、規模が大きい。お金持ち、セレブっていうこともあるかもしれないんですけれど、ものすごく大きく大胆に話が進むっていうのが魅力的で、見ていて引き込まれやすいんじゃないかなぁって思います。光と慧はもちろんなんですけれど、その周りを取り囲む人間関係、恋愛模様、気持ちのズレ、というのを見ていると胸がキュンキュンするような感じになると思いますので、その辺を見てもらえたらうれしいなと思います。みんなで頑張って作り上げていますので、ぜひ見てください。よろしくお願いします」

下野「見どころというのはですね、僕個人としては殴られているところで何て言っているのか。あと、物を食べながらしゃべっているセリフが何回か出てくるので、そのセリフも聞き逃さないでもらいたいと思います。作品全体としては基本コメディなんですが、ラブな部分やシリアスなシーンが出てきたり、さまざまな色を持った作品ですので、見てもらえる方には存分に伝わるのではないかな、と思います。それを伝えるためにも、楽しみながら一生懸命演じておりますので、『S・A』をどうぞよろしくお願いします」

代永「大まかに言えば、慧くんと光の恋愛物語なんですが、その2人に限らず周りを取り囲むSAメンバーの恋愛模様が物語を盛り上げていきます。魅力は語り切れないですね。見てくださる方も、そこは多分思うところではあると思います。各キャラクターが個性的で、被っているキャラもいませんし、ひとりひとりが役割を持って動く。それで物語がどんどん広がっていく――そこが魅力だと思います。第1話からテンポが速くてストーリーがどんどん進んでいきますので、原作を読んでいる方も次の放送が待ち遠しくなる作品になっていると思います」

高垣「SAの7人のほかにも変な人や竜くんの動物とかが出てきて、みなさんマイク前でハッスルしながらテンション高々に演じています。そのテンションが高いところが魅力的だなぁと思います。見どころは全部なのですが、特に一生懸命頑張っている慧くんがカッコイイようでカッコ悪い、でも総じてカッコイイところですね。光ちゃんも一生懸命だし、そういうところがとってもいいかなと思います。私たちもマイク前で楽しく一生懸命やらせていただいていますし、そういうものが画面から伝わって、みなさまにも笑顔をお届けできたらな、と思います」

堀江「物語は序盤、元気でノリがいい学園ラブコメという感じで始まります。後半は恋愛パートがメインになってきて、青春時代によくある、友達を思いやる気持ち、好きな異性ができたときトキメキなどが素敵に爽やかに描かれています。とても優秀なスタッフ・キャスト陣が揃っておりますので、自分も負けじとアグレッシブな気持ちで辻竜を演じていきたいと思っています。最後まで1話も見逃さずに観てくれたらうれしいです」

手前左から下野紘、福山潤、後藤邑子、生天目仁美、奥左から高垣彩陽、堀江一眞、代永翼

放送情報
放送局 放送開始日 開始時刻
チバテレビ 4月6日(日) 25時30分~
テレビ神奈川 4月7日(月) 23時00分~
テレビ埼玉 4月9日(水) 25時30分~
テレビ愛知 4月11日(金) 25時58分~
テレビ大阪 4月11日(金) 25時23分~

(C)2008 南マキ・白泉社/白選館学園高校理事会