飲食店で美味しい料理やお酒を堪能したあとは、支払いもスマートに済ませたいもの。最近ではクレジットカードやおサイフケータイで、飲食代が支払える店舗も増えてきた。しかし機器の設置場所や通信回線などさまざまな事情で、こうした決済手段をまだ提供できていない店舗も多い。カシオのネットレジならブロードバンド回線があれば、クレジットカードやチャージいらずの電子マネー「iD」への対応が可能で、しかも設置スペースは最小限ですむという。2007年12月の開店からネットレジ「TK-2500」を活用しているスペイン料理のお店「バル・デ・オジャリア」を統轄する、株式会社麺食 取締役の中原 誠氏にその効果を聞いた。

カシオのネットレジを導入した、銀座コリドー街「バル・デ・オジャリア」。今回は店舗を統轄する株式会社麺食の中原氏にお話を伺った

お客様へのサービス向上に取り組む


──このお店について教えてください

中原 銀座で着席スタイルのバルをやっています。「バル・デ・オジャリア」のオジャというのはスペイン料理の名前で、ごはんを使った日本の「おじや」の原型ともいわれているものです。お昼はランチとして、夜はシェリー酒やワインとともに「オジャ」をご注文されるお客様が多いですね。

お酒はシェリー酒を常時120種類以上。そのほかワイン、リキュール、ブランデーなどほとんどスペイン産のもの揃えています。「シェリー酒―知られざるスペイン・ワイン」という本を書いた中瀬航也もおりますので、通のお客様でもうなるシェリー酒、ワインをお出しできます。

シェリー酒は1杯750円くらいから上は1500円、2000円くらいまであります。また純血100%最高級のイベリコ豚の生ハム(1皿1500円)は、このグレードのものをこの価格で提供できるお店はなかなか見つからないと思いますよ。定番のトルティージャ(スパニッシュオムレツ)やアヒージョ(ガーリックオイル煮)などはもちろん、旬の素材を生かした本日のおすすめ料理などをおつまみにいろいろ楽しめます。



120種類以上のシェリー酒のほか、スペイン産のワイン、リキュール、ブランデーなどを多数取り揃える。銘柄がわからなくても、好みを伝えればスタッフの皆さんがチョイスしてくれるので、気軽に足を運べる

──夜にいらっしゃるお客様が多いのでしょうか

中原 やはり夜が多いです。週末の忙しいときで1日80人くらい。満席で20強ですので4回転ぐらいしています。夜は長く楽しまれるお客様もいらっしゃいますが、パッと1杯、2杯という方もいらっしゃいます。

──そうなるとかなり忙しいそうですが、スタッフ常時何人くらいですか

中原 ディナータイムは5人でやっていますが、金曜日のピークの時間は満席になりますので、生産性を上げるために工夫しないと難しいところがあります。特にレジ周りの仕事に時間がかかってしまうとお客様の満足度に影響しますので、普段から流れを崩さないよう気を使っています。

──お会計はどういった支払い方法が方法が多いですか

中原 お客様の単価が3000円を超えることが多いので、現金のほかは、クレジットカードの利用頻度が高いですね。現金よりカードの方がスマートですし、会計をさっと終らせたい方が多いからではないでしょうか。手早く支払いを済ませたいランチタイムのお客様を中心に、「iD」もご利用いただいています。

おサイフケータイなどに採用されている「iD」にも対応。スムーズに支払いできる 自慢のイベリコ豚の生ハムの塊。お皿に山盛りで提供される。シェリー酒との相性も抜群だ

ネットレジだから実現できる便利な機能


──ネットレジ導入のメリットは?

中原 開店時に心がけたことは、メニューとサービスの両面でお客様に満足いただける店舗にしたい、ということでした。ネットレジは多彩な決済手段をお客様に提供できるだけでなく、売上の集計・報告など店舗の管理業務も軽減できるので、より多くの時間をお客様のために費やすことができるのがいいですね。

──決済手段というと具体的には

中原 銀座という場所柄、感度の高い方が多いので、通常のクレジットカードだけでなく、ケータイで支払える「iD」にも開店時から対応したかったのです。決済手段はたくさんあった方が、ご来店いただくキッカケになりますので。また通常のクレジットカード決済も、スピーディーに処理できるのがいいですね。一般的なクレジット端末だと、レジで打った金額をあらためて打つ必要があるのですが、ネットレジは2度打ちの必要がないのでお客様をお待たせしませんし、金額の打ち間違いも予防できます。

──店舗の管理業務は軽減できましたか

中原 従来型のレジの場合、閉店してから店ごとに売上を集計して、その後本部に報告しなければならず店舗の負担も大きかったのですが、ネットレジの「売上集計管理サービス」を使えば、約30分毎と精算時に売上データを自動集計してくれるので、とくに閉店後の管理業務が大幅に軽減できたと思います。

──集計された売上データは中原さんが確認されるのですね

中原 私を含め、本部の担当者が確認しています。「売上集計管理サービス」は日々の売上管理の他にも、時間帯別や商品別の売上なども管理できます。また、1日3回携帯電話に売上情報を飛ばせるのもいいですね。私の場合、ランチが終った時間帯とディナーの終った中間の時間帯、レジを閉めさせたあとと3回に分けて携帯電話に売上情報が入ってきますので、店舗の状況に応じた施策が迅速に打てます。私は「バル・デ・オジャリア」以外にも、喜多方ラーメンの店舗「坂内」「小法師」なども統轄しており出張が多いのですが、大阪に出張していた時に、「バル・デ・オジャリア」のランチ売上が携帯メールで確認できた時には、とても感動しましたね! これまでは、閉店後の報告を待たずに売上状況を知りたい時には、何回も店舗に電話して確認してきましたから。店舗側も報告業務が軽減された分、店長がお客様に費やす時間をさらに増やせると思います。

メニューや価格改定の設定も簡単に行える。本部で用意した更新データを各店舗 のレジで受信するだけで設定が完了する

──導入にあたって難しかったところはありますか

中原 店舗での操作は通常のレジと全く同じで、特に操作講習などは必要ありませんでした。一般的なブロードバンド回線があれば簡単に導入でき、それでいて高いセキュリティが確保されているのがいいですね。自前で集計システムを作ることを考えれば導入コストは格段に低く、当社のようなチェーン店を運営している本部にはピッタリだったと思います。喜多方ラーメン「坂内」「小法師」各店では2月1日に価格を改定しました。今後このようなときにネットレジは重宝するのではないかと期待しています。60近くの店舗の価格を改定するには、現場レジの設定を変えなければならず、大変な作業です。ネットレジなら、本部から更新データを送信すれば、一気にレジの設定を変更できますからね。お客様の好みがめまぐるしく変化する中、季節ごとにメニューを変え、価格も見直していく必要があります。スタッフすべてがレジの扱いに長けてくれればいいのですが、なかなかそうもいきません。そんなときネットレジという仕組みは威力を発揮すると思います。

──ありがとうございました