二輪を生産しているのは主に日本、欧州、アメリカなどだが、次の勢力が拡大しつつある。アジア諸国だ。技術的に見れば日本や欧州のほうが進んでいるのだろうが、アジア諸国のバイクには熱気がある。見ていて楽しい。そんなバイクを見て回った。
スポーツスクーターが人気のキムコ
キムコ (KYMCO)は台湾のメーカーで、欧州など世界50ヵ国以上の国で二輪などを販売してきた実績をもつ。日本では200cc以下の、比較的少排気量のスクーターを中心に販売を行なっている。
今年のイチオシは4ストローク125ccの「SUPER8 125」。ちょっと派手なカラーリングを施されたスポーティなスクーターだ。フロントにはウェーブディスクを採用している。話を聞いたところ、「やはりスポーティなモデルが人気です。こういったモデルを推していくつもりです」とのこと。一部にはまだ2ストモデルもラインナップしている。日本のスクーターが比較的おとなしく、安楽な方向へと移行するなか、こういったバイクがあるのは楽しいものだ。
SYMはスポーティな125ccスクーターなどを投入
SYM (三陽機車)は、台湾の三陽工業が製造するスクーターのブランド。日本では、50ccから250ccのスクーターをはじめ、小型クラスの実用バイク・オートバイも販売している。
ショーでは2008年のニューモデルとして2モデルが展示されていた。「GT 125」はスポーティなスクーターで、ウェーブディスクやデジタルメーターを装備。近日発売予定とこのことで、価格も未定。もう1台はシンプルな原付スクーターで、その名も「SYMNPLY 50」。スタンダードなスタイルの原付スクーターだが、ディスクブレーキを装備し、119,700円(予定)という高いコストパフォーマンスが魅力だ。
本格的モーターサイクルを提供するヒョースン
ヒョースンモーター(HYOSUNG:暁星)は韓国のオートバイメーカー。650ccや250ccのV型2気筒モデル、125ccの単気筒モデルなどを発売している。また2007年からはバイク販売チェーンのレッドバロンとSOXが取り扱いを始めた。
目立つところに置かれていたのは「GV650 Anniversary 30th Edition」と名付けられたアメリカンモデル。ブラックボディに赤いフレームが鮮やかだ。すでに発売されている「GV650」をベースにしたヒョースン30周年モデルだが、日本での発売は未定とのこと。そのほか「GT650X」や「RM450SM」といった開発中モデルも展示されている。
この4月から販売をスタートするJPMOTO
会場を歩いていて見慣れないバイクを見つけた。「JPMOTO (JPモト)」というブランドで、そこに置かれた「JP-MOTO V3」はなんだか懐かしくてちょっと未来的なスタイルをしている。聞けば、生産は中国で行なっているが中国では販売せず、イタリアやアメリカなどで数年前から販売しており、この4月から日本で発売するのだという。「といっても、これは日本の状況に合わせて作っていますので、イタリア向けなどと同じというわけではありません」とのこと。
「JP-MOTO V3」はフルカバードのボディに250ccの単気筒エンジンを搭載したモデルだが、ステップを前方に置き、ライディングスタイルはアメリカン風になる。しかもトランスミッションはオートマチック(CVT)。ちょっとユニークだ。ほかにアメリカンスタイルそのものの「JP-MOTO V5」も置かれていた。
ピアジオは800ccの大型スクーターを展示
ピアジオ(PIAGGIO)は決してアジアのメーカーではなく、れっきとしたイタリアのメーカー。二輪では欧州最大手でもある。「ベスパ」や「ピアジオ」、「ジレラ」ブランドのスクーターなどを生産・販売するほか、アプリリアやモト・グッツィ、デルビを傘下に収める。
新しく発売されるのはジレラの「GP800」。75HPを発揮する839cc、90度V型2気筒エンジンを搭載し、オートマチックながら0-100km/hを5.7秒でこなす“スーパーGTスクーター”だという。その他にも世界的な人気を博している三輪スクーター「MP3 250RL」、デルビのインジェクションモデル「GP1 250i」、「ベスパ Sシリーズ」などがニューモデルとして登場する。