【レポート】
では、そもそも、ミクシィがユーザーに不行使を求める「著作者人格権」とは何なのか? 一言で言えば、「著作者が自分の著作物について有する人格的な利益の保護を目的とした権利」であり、発明学会の著作によれば以下のような権利で構成されている。
ミクシィがmixiニュースや注目キーワードの下に、「このニュースやキーワードに関心を持っている日記」を並べるなどのサービスを考えているとすれば、一番ひっかかるのは恐らく1の「公表権」だろう。つまり、同サービスを実施するには「どんな方法で公表するかは全て著作者の判断に基づく」ことを規定する部分が、障害になる可能性がある。そのため、ミクシィは著作者人格権の不行使を求めていると考えることができる。
だが、著作者人格権には、公表権のほかにも、同一性保持権や氏名表示権などユーザーが不行使を容認するにはあまりにも大きな権利が含まれており、今回のユーザーからの反発は当然のことともいえる。
実は、著作者人格権の不行使を利用規約に盛り込むことについては、「人力検索はてな」や「はてなダイアリー」などを展開するはてなでも問題となったことがある。
「はてなダイアリー日記」によると、同社は2004年の利用規約改定で「日記の情報が掲載される形態は、RSSなど多岐に渡るため、著作者人格権を行使しない旨の条項を加えました」とし、同年8月から9月にかけ意見募集などを行ったが、多くの利用者から懸念する声が寄せられた。
その結果、「著作者人格権の解釈については理解を得るのが難しく、一方で同社としてサービスの運用への影響は大きくないと判断した」とし、以下の条項に変更した。
本サービスの提供、利用促進及び本サービスの広告・宣伝の目的のために、当社はユーザーが著作権を保有する本サービスへ送信された情報を、無償かつ非独占的に本サイトに掲載することができるものとし、ユーザーはこれを許諾するものとします。
これは、ミクシィの新しい利用規約第18条の第1項とほとんど同じものである。そう考えると、ミクシィは、著作者人格権の不行使を求める規定を反発は予想した上で第2項として盛り込み、第1項を「実」として獲得するための"見せ球"としたと考えることもできる。
実際、第1項さえ実施できれば、前述のような新サービスは可能になる可能性が高い。あえて著作者人格権の不行使を約束させなくても、実質的には、そうしたサービスができるようになるというわけだ。
そうした考えを裏付けるかのように、ミクシィでは「利用規約は頻繁に変更しているものなので、変更する可能性もある」としており、第2項の削除がありうることを示唆している。今後の動向が注目される。
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