【レビュー】

期待のグラフィック統合型チップセット登場 - 「AMD 780G」を試す

4 ベンチマークテスト & まとめ

    石川ひさよし  [2008/03/04]

    ベンチマークテスト結果

    では、実際のベンチマークスコアを紹介していこう。ただし、今回は比較機材を用意していない。そのため、信頼できる過去のベンチマークや他のデータと比較して推測してほしい。

    まずはAMD 780Gのグラフィック性能を測るため、Futuremarkの3DMark06を使用したのだが、同ベンチマークを動作させる上での補足事項が1つある。それは、3DMark06の最新版またはインストール後にパッチを適用した後、Hotfix for 3DMark 06/05/03 and PCMark 05を適用するのが必須となることだ。これは、Radeon関連ではおなじみだが、Direcpll.dllを最新版にするという作業である。これを適用しないと、システムインフォメーションが取得できないため、ソフトが正常に動作しない。[-nosysteminfo]オプションで起動させる方法もあるのだが、このHotfixを適用した方がスマートであろう。

    Overallである3DMarksは、1280×1024ドットで「1198」という結果だ。AMDが示すグラフでは1520とのことだったが、こちらはCPUがPhenom 9500である。デュアルコアで2.5GHzのAthlon X2 4850eであればおよそこのあたりの数値ということなのだろう。

    3DMark06のスコア

    Result 3DMark Score SM2.0 Score HDR/SM3.0 Score
    1024x768 1584 499 638
    1280x1024 1198 391 458
    1600x1200 916 308 335
    1920x1200 799 274 285

    次は同じFuturemarkのPCMark Vantage。ちなみにPCMark Vantageでも最新のDirecpll.dllが必要となるので注意が必要だ。こちらのスコアは「3001」となった。

    PCMark Vantageのスコア

    PCMarks 3001
    Memories 1953
    TV and Movies 2084
    Gaming 2312
    Music 3489
    Communications 2711
    Productivity 3288
    HDD 4128

    Athlon X2 4850eのCPUパフォーマンスが4800+と同レベルであるのかも確認しておこう。このテストに用いたのはAMD OverDriveのBenchmark。Athlon X2 4850eのスコアとAthlon 64 X2 4800+のスコアを比べたところ、Integer、Floating Pointほか、Memory SpeedやCache Speedもほぼ誤差の範囲内に収まっている。同じパフォーマンスとなれば、あとは消費電力をとるか、価格をとるかという選択になりそうだ。

    Athlon X2 4850eのスコア

    Athlon 64 X2 4800+のスコア

    そして最後に、消費電力テストの結果を紹介する。計測はワットチェッカーを用い、PCMark Vantageをミニマムなオプションで実行した際のピークから一部を抜粋した。PCMark Vantageの各テストの中でも、より多くの電力を要するゲームテストで見ると、Athlon X2 4850eは105W、Athlon 64 X2 4800+は120Wとなった。約15Wの差である。TDPで見れば20Wの差があるが、Athlon 64 X2 4800+もクロックがそこまで高くない分、消費電力もやや少ないといったところだろうか。しかし、少しでも省電力を目指すユーザーにとっては、この15Wの差も決して小さくはない。パフォーマンスと省電力性をある程度両立できる存在として注目してみたい。

    PCMark Vantage実行中のピーク値

    CPU Athlon X2 4850e Athlon 64 X2 4800+
    画像処理テスト 90W 105W
    メモリテスト 96W 110W
    TV・ムービーテスト 96W 113W
    ゲームテスト 105W 120W

    まとめ

    AMD 780Gは、メインストリーム向けチップセットとしては十分な機能を備えた製品といえる。グラフィック面をみると、DirectX 10に対応したことはもとより、現時点において、グラフィック統合型チップセットのなかでは、かなり強力なパフォーマンスを発揮する。たとえ3D描画性能をそこまで求めないといったユーザー層であっても、VistaのAeroやHDビデオ再生支援のUVD、低消費電力や静音といった特徴は、大きな訴求力を持つだろう。

    特に消費電力面では、Athlon X2 4850eと組み合わせればピークでも100W前後のシステムが構築できるという点が魅力だ。もちろんモバイル向けCPUを組み合わせたプラットフォームなら、さらに低くすることも可能だが、現状それはかなり高くつく構成になってしまう。AMDでは、AMD 780G搭載マザーボードが80~120ドル、Athlon X2 4850eが99ドルで「あわせて約200ドル」という低価格・高パフォーマンス・低消費電力をアピールポイントとしている。このあたりのターゲットを考えれば、リビングPCなどにうまく活用したい組み合わせとなりそうだ。

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