原油価格の高騰により、今年は、例年以上に灯油の価格が上昇している。そこで活躍するのが、エアコンでの暖房ということになる。エアコンによる暖房は、自らが電気で熱を起こしているというわけでなく、室外機から外部の熱を取り込んで、室内に放出しているため、例えば各種ヒーターを使用した暖房に比べて、効率が高い。さらに、このところ各社から発売されている省エネエアコンでは、より効率アップのため、大型の熱交換機の装備、効率のよいコンプレッサーの採用、空路の見直しなどが行われている。

会場内には多くの体験ブースが設置されている

また、単に室内を温めることによって温かくなるというのではなくて、室内にいる人を検知して、そこだけを快適な温かさにするという手法も採られてきている。これにより、部屋全体を温めるのに比べて、大幅な省エネが可能になるというわけだ。この機能を最初に搭載したのが、三菱電機の「霧ケ峰ムーブアイ」2007年度モデルで、同社では「人感ムーブアイ」と呼んでいる。2008年度モデルでは、人感ムーブアイは更に進歩し、人の活動量も検知して、より多く動いている人は温め方を減らし、あまり動いていない人は多めに温めるという手法が採られている。これにより、体感温度が異なる人が同一の部屋にいる場合でも、お互いが快適な温度に調整されることになる。もちろんこれも省エネにつながっている。

27日、同社は、プレス向けのムーブアイ体験会「快適!エコ生活の勧めムーブアイ体験館」を開催した。会場には、2008年モデルの霧ケ峰ムーブアイが実際に動作する形で展示されており、例えば、急激な温度変化に対して、どの程度のスピードで対応できるか、壁や天井などを温めることで放出される輻射熱が、どの程度体感温度に影響を与えるのかといった、普段ではあまり経験できない実験が行われていた。

また、寒冷地仕様のモデル「ズバ暖霧ケ峰」も展示。外気が-15°Cの環境でも、吹き出し口からは50°C以上の暖気が放出される様子を体験可能だ。

また、日本女子大学 家政学部 住居学科教授である飯尾昭彦氏や節約アドバイザーの丸山晴美氏によるトークセッションも開催された。

自動運転モードで急激な温度変化にどの程度のスピードで対応可能かを実験

壁からの輻射熱があると、室温が低くても温かさを感じる

寒冷地仕様の「ズバ暖霧ケ峰」。室外機が-17.5°Cの場所に設置されていても、室内機の吹き出し口からは49.2°Cの温風が放出される