淘宝網だけでウォルマートやカルフールなど3社売上合計に迫る

中国のIT専門調査会社でWebサイト「i-research」を運営する上海艾瑞市場諮詢と、ECサイト大手のアリババ(阿里巴巴)傘下のECサイト「淘宝網」が共同で行った調査によると、中国のECサイト市場の総売上高が2007年に初めて500億元(約7,500億円)を上回り、約594億元(約8,910億円)に達した。2006年に同売上高が約312億元(約4,680億円)だったことと比較すれば、1年間で実に90.4%の増加を示したことになる。特に、淘宝網は約433億元(約6,495億円)を売り上げ、前年比156%増という急激な拡大発展を遂げた。

中国の伝統的な小売業にとり、「売上高500億元」は、1つの大きなハードルだった。この数字を達成するため、例えば家電量販最大手の国美電器集団は、19年間を費やした。ところが、ECサイト企業はわずか9年間で軽々とそのハードルを越えてしまったのである。

淘宝網の2007年の総売上高約433億元(約6,495億円)は、中国の大手小売チェーン華聯超市傘下の全国3,913店が2006年に売り上げた約440億元(約6,600億円)を上回る。また、中国市場で攻勢をかける米ウォルマートの2007年の売上高約150億元(約2,250億円)、仏カルフールの約248億元(約3,720億円)、国内大手スーパー易初蓮花の約135億元(約2,025億円)を合計した金額に迫る勢いだ。

ここ数年のECサイト市場の売上高の増勢基調からみれば、遅くとも2012年までに、中国の同市場は1兆元(約15兆円)の大台を突破し、全中国の小売売上高の5%~8%を占めるようになることが予想される。

本稿では、好況が続く中国のECサイト業界について、いくつかのキーワードを手掛かりに、その現状と今後の発展の鍵を探ってみたい。