俳優、執筆業、映画監督などマルチな活躍を見せる奇才のお笑い芸人・板尾創路が、この春、シュールな写真アートに挑んだ『粋ポスターブック』、私生活を綴った本『板尾日記3』、ソロデビューCDとなる『少年B』の3作品を一挙にリリース。吉本きっての“ミステリアス芸人”として知られる板尾だが、突如、精力的に動き出した理由も謎なら、3つの作品もまた独特のシュール感あふれる謎に満ちた内容だ。一体、彼は何を考えているのか? このリリースラッシュを記念した記者会見が26日、大阪・吉本興業本社で行われ、板尾が"謎の全容"を明かした。

シュールな"板尾ワールド"全開の3作品。板尾は「できれば全部買って欲しい!」

――なぜ、3作品一挙リリースなんですか?

まぁ、特に意図はないんですけど、3つ一緒の方が力強いですし。なにより、宣伝しや すいんでいいんじゃないかと(笑)。3つそれぞれ形は違うんですけど、世界観は繋がっ てるようなところがありますね。全部一緒に買ってもらうとうれしいですけど、そん な人っておるんかな? 親やったら「ひとつにしときなさい!」っていうとこでしょう けど……まぁ、ひとつ買ったら全部欲しくなるっていうのは人間の心理ですから(笑)。

――まず、写真集でもありカレンダーでもある『粋ポスターブック』を作った経緯 は?

もともとは板尾創路のカレンダーを作りたかったんですよ。酒屋さんでもらうようなやつ(笑)。12カ月、1枚ずつ僕の写真やったらおもしろいかなと。『コミックヨシモト』が創刊されるときに、1枚ずつ写真撮って、最終的にカレンダーにしようって始めたのが、こういう形になりました。カレンダーってずっと見るもんやから、1カ月かけてじわじわおもしろくなってくる写真にしようと。そういう設定とか題材を決めるのに苦労しましたね。いい意味で"気持ち悪い物"が出来たと思ってます。こんな時期にカレンダー出したら、普通は本屋さんに返品されますけどね、2009年まで対応してるのはさずが吉本ですね(笑)。ウチの嫁さんはこの2009年のとこが気に入ってて、「今、なかなか2009年の全体像が見られるものはない。予定が立てやすい」と。なるほどなと思いましたけど(笑)。

「"つかみどころのない"というのを楽しんでもらうのもアリかと」と板尾

――『板尾日記3』は、テレビなどであまり公言しない、家庭のことが書かれていますね。

あんまり自分のことを言わない方なんで。昨日も相方(ほんこん)に怒られました。「子ども生まれたん知らんかったわ! 東野から聞いて初めて知ったわ!」って。まぁ、娘が生まれたんは去年の9月なんですけど(笑)。本には、嫁さんの妊娠がわかってから生まれるまでと、生まれてからのことも書いてます。初めての子どもですから、どうしても子どものことが中心になりますね。『板尾日記』は前作も前々作も、毎年、その年を象徴するようなもんを表紙にしてるんですけど、今年はどう考えても子どもやと思って表紙にも子どもの写真を載せてます。まぁ、赤ちゃんはみんな同じような顔やから、載せても大丈夫やろと。娘の許可は得てないですけどね。どうせ本人はわかってへんしね(笑)。

――『少年B』では、ついにCDデビューですね。

なんと「CD第2弾の企画も進行中」という

CDデビュー、なんですかねぇ(笑)。気恥ずかしい気持ちは大きいんですけど、僕の中ではここに至る流れがちゃんとあるんで、自然っちゃ自然なんです。3年ぐらい前から、雑誌絡みの企画とかで詩を書いてまして、「詩だけやったらもったいないな。誰かに曲をつけてもらいたいな」ってずっと思ってたんです。それが、今回やっと形になった。『少年B』については、舞台かテレビで自分で言うたか書いたかしたフレーズが妙に残ってて、そこから世界観を拡げていって詩が出来たって感じですね。どのフレーズかを具体的に言うと、"田舎の分校 犬が友達で校長親戚"とか(笑)。詩にテイさんの曲がついて仮歌で返って来たときは、自分の子が留学して帰って来たみたいな感じ。「そんなんなって帰って来たんか!」みたいな(笑)。自分の物であってないみたいな感じ。でも、テイさんの曲も宇川さんのPVも僕の世界観に合ってたんで、すごく気に入ってますね。

――板尾創路が次に挑戦したいジャンル、これから目指すものは何ですか?

自分でもどこを目指してるか、どこに行くかわかんないです。あらかじめ決まってること、計画したことをやるのがダメな性格で。ええ例えかどうかわからないですけど、友達と1週間後に映画を見ようって約束すると、約束の日の3日前ぐらいにイヤになる。でも行かなアカンからって行くと、その映画自体もイヤになってきて、友達も大嫌いになるんです(笑)。約束とか決め事がホンマに苦手なんです。逆に、思いつきで「今日の夕方、映画行こか?」って見に行って、その映画がおもしろかったりするとすごく好きになりますし、友達も大っ好きになりますしね……この例え、わかりにくいですかね(笑)?

怒涛のリリース3作品概要


『粋ポスターブック』

雑誌『コミックヨシモト』で連載されていた板尾の写真コラムをまとめたもので、日常の笑える瞬間を切り取る人気写真家・梅佳代が撮影を担当している。「ペガサスのような羽根をつけて白馬にまたがる板尾」など、板尾が思う"粋"な姿の数々をとらえた写真に、今年4月から2009年12月までのカレンダーがプリントされているという意外な実用性もミソだ。

『板尾日記3』

過去2作が刊行されている板尾の日記集シリーズ第3弾。2007年の1年間を綴った今作は、9月に誕生した愛娘の育児に奮闘する姿などパパの顔も見せている。

『少年B』

作詞を板尾自身が、作曲とプロデュースをワールドワイドに活躍するサウンドクリエーター、テイ・トウワが手がけている。ラテンのリズムを取り入れた軽やかなフレンチポップに乗せ、田舎の少年がふと漏らす学校生活の苦悩を、板尾の低音ボーカルが淡々と歌い上げる摩訶不思議なナンバーだ。なお、このCDはDVDとセットになっており、ボアダムス、電気グルーヴ×スチャダラパーなどのPVを制作した気鋭のクリエーター・宇川直宏によるPVが収録されている。

『粋ポスターブック』(ヨシモトブックス刊)
発売中 1714円
タブロイド版/16ページ

『板尾日記3』(リトル・モア刊)
発売中 1,575円
ハードカバー/192ページ

『少年B』販売元:よしもとアール・アンド・シー
3月5日発売 1500円