レノボ・ジャパンが26日、新たなコンセプトで世に送り出した「ThinkPad X300」。B5サイズの小型モバイルノートと比較しても遜色の無い可搬性を実現しながら、従来のモバイルノートにありがちなパフォーマンス面での妥協が見られないという、このジャンルではまさに"極めつけ"ともいえる仕上がりになっている。

新コンセプトの薄型ノート「ThinkPad X300」

13.3インチのWXGA+(1440×900ドット)ディスプレイによる広大な作業領域はクラス随一。Intelの最新デュアルコアCPUを搭載し、記憶媒体には高速で耐衝撃性や省電力性にも優れたSSD(Solid State Drive)を採用するなど、ストレスの少ない先進的なハードウェア構成ながら、本体は薄く、底面積も常識的で、しかも重量は1kg台中盤と軽い。

X300を一言で表現するならば、「ThinkPad Xの皮を被ったThinkPad T」といったところだろう。常々「ThinkPad Tが持ち運べれば便利なのに……」と思いつつも、体力不足でそれをあきらめていた筆者は、思わず「待ってました!」と叫びたくなってしまった。共感いただける読者の方も多いのではないだろうか。

さて、製品の販売開始を前に、サンプル機を拝見させていただく機会を得たので、今回、まずは写真によるハードウェアレポートをお届けしたい。

正面から。ディスプレイはワイドタイプとなっているが、縦解像度が900ドットあるというのがうれしい

LEDバックライトの採用は薄型化と省電力化の双方に寄与するだろう

天板はソリッドで高級感あふれるラバー塗装の黒。ピアノブラックモデルも欲しいなぁ……

本体裏側は非常にフラット。ここでは標準の3セルバッテリを搭載している

バッテリはフロント側に

ちなみにオプションの大容量バッテリを搭載すると少しだけ出っ張る

前から見ると薄さがよくわかる

背面にはディスプレイ出力や有線LAN、USBポートなど。無線LANのハードウェアスイッチもここ

右側面にはドライブベイ。光学ドライブを外して拡張バッテリを装着することもできる

左側面にUSB×2やオーディオポートなどが。排気口もここ

天板、正面から向かって左下にLenovoのロゴ

同右下にThinkPadロゴが入る

同左上にはLEDによるステータス表示を配置

LCDラッチの右側にX300のモデルナンバーが。ちなみにヒンジはいつものように金属製だが、本モデルではデザインに考慮し黒塗装されている

パームレストもラバー塗装。ここの右下にもThinkPadロゴをあしらう

ディスプレイ上部には、ThinkPad Xシリーズでは初めてとなるWebカメラを内蔵する

ちょうど手元にあったThinkPad X60と並べてみた。一回り大きくなっているのだが、重さは同等というから驚きだ

ついでに積んでみた。下から、これまたちょうど手元にあったThinkPad X40、同X60、そしてX300

厚みをわかりやすくするため並べて比較。奥のThinkPad X40と比べても最薄部で同等、最厚部で勝っている

同様にX60と比べてみると、X300の方がかなり薄いという結果に

キーボードにも様々な改良が加えられているとのこと。キーピッチが広くなっているので打ちやすくなって当然なのだが、打鍵感が非常に良くなっているのが印象的

X40とキーボード比較。薄型化でキーのストロークは短くなっているそうなのだが、試しに打ってみるとX40やX60よりも明確に快適になっていた

ThinkVantageボタンや電源ボタン、インジケータ類はいつものところに。非動作時はインジケータが見えないようにデザインされている。ちなみにThinkVantageボタンは点滅機能を持ち、メールの着信確認などにも使えるようになった

ところで、本体サイズやCPUスペックなどの点から、このThinkPad X300を、アップルの「MacBook Air」と比較する向きがあるようだ。よくよく考えると、両機では目指すコンセプトが違うように思うし、直接の競合製品では無い気もするが、あえて比べて見るのも一興だろう。

というわけで、次項からはMacBook Airとの写真比較。ついでに、コンパクトさと強靭さを両立できた秘密に迫る、X300の分解モデルに触れることもできたので、このあたりも写真で紹介しよう。