【レポート】
ラグビー・トップリーグの上位4チームが集結し優勝を決めるプレーオフ「マイクロソフトカップ」の決勝戦が24日、東京・秩父宮ラグビー場で行われた。リーグ戦2位のサントリー・サンゴリアスが同1位の三洋電機ワイルドナイツを14-10と下し、トップリーグ発足5年目で初タイトルを獲得した。リーグ戦からの全勝優勝を目指した三洋にとっては、大舞台での痛い今シーズン初黒星となった。
17日に行われた準決勝での、両チームの勝ち上がり方は対照的だった。サントリーは、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(リーグ戦3位)を相手に33-10と圧勝。前半、シンビン(一時退場)によって数的に不利な時間帯があったがしのぎ切り、後半はトヨタを完封する安定感を見せた。一方、三洋は東芝ブレイブルーパス(同4位)を終了間際のトライで逆転、25-21と振り切った。トップリーグ3連覇中の東芝を倒した勢いは評価されるべきだが、ミスの多さは決勝へ向け不安感をあおった。
決勝戦が行われた秩父宮は終始、強風に見舞われた。ロングキックによる陣地獲得がカギとなるラグビーでは、サッカー以上に風の影響が勝敗を左右する。サントリーは試合前、陣地選びのコイントスに勝った上で風下を選択した。「後半に勝負をかける」という明確な意欲は、三洋フィフティーンにも十分伝わっただろう。また試合が始まってみると、ラインアウトでまっすぐにボールが入らないシーンなどが続出。風はあらゆる場面で災いをもたらしていた。
前半、風上に立った三洋は司令塔のSOトニー・ブラウンのペナルティゴール(PG)で先制するも、その後、ドロップゴールとPGを1本ずつ失敗し波に乗れない。17分には自軍深くのラインアウトでこぼれ球をサントリーのNo.8竹本隼太郎に拾われ、そのまま強引にトライへと持ち込まれた。だが、23分にNo.8ホラニ・龍コリニアシの個人技でトライを上げ、10-7でハーフタイムを迎えた。
試合前の目論見通り、後半はサントリーのペースに。風下の三洋からはキックの威力がますます失われ、サントリーが押しこむ時間帯が圧倒的に長くなった。ドライビングモールで次々と局面を打開し、フォワードとバックスが連動した攻撃力を存分に発揮する。そして20分、中盤の混戦からWTB小野沢宏時が抜け出し逆転トライを決め、これが決勝点となった。
終盤、三洋はパスが回るようになり再逆転のチャンスを伺ったものの、サントリーの出足の速い守備に屈した。試合後、三洋の宮本勝文監督は「自分たちのラグビーをさせてもらえなかった」とコメント。これは奇しくも準決勝後、トヨタ自動車の選手らが発したものと同じだった。また、榎本淳平主将が「風上でもっと点が取れていれば」と悔やんだとおり、前半は敵陣深くに攻め込むことがなかなかできなかった。サントリーは序盤こそ危険な位置でファウルを連発したものの、途中からは落ち着きを取り戻したように見えた。
昨年のマイクロソフトカップ決勝、東芝と対戦したサントリーは後半ロスタイムに逆転を許し、掴みかけた王座を逸した。土壇場での強さを生み出すべく、相手の持ち味を消し、ストロングポイントを発揮するサントリーのラグビーは集大成を迎えたといえそうだ。清宮克幸監督は「素晴らしい相手に勝てて素直にうれしい。モールにこだわったわけではなく、三洋はモールが弱いからそこを突いただけ」と胸を張った。
マイクロソフトカップの最優秀選手にはサントリーの小野沢が選ばれた。今後、国内ラグビーシーンは日本選手権へと移る。マイクロソフトカップに出場した4チームは3月以降登場し、日本一の座を争うこととなる。
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