【レポート】
スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2008」で、移動体通信インフラ最大手のスウェーデンEricssonは、携帯端末を利用したLTE(Long Term Evolution)のデモを披露した。会期中、同社はNTTドコモによりLTEベンダーとして選ばれたことの発表もしており、2010年にサービスインを目指すという。モバイル通信がさらに高速化する日は近そうだ。
昨年同社はノートPCを利用したデモを披露したが、今年は小型携帯端末を利用、モデムとしてUSBでPCにつないだエンドツーエンドのソリューションを紹介した。この端末はLTEのほかにGSM、W-CDMAもサポートしたプロトタイプで、下り最大25Mbps、上り最大25Mbpsに対応する。世界最小のLTE端末という。
デモでは2.6GHz帯を利用しており、10MBのファイルをFTPでダウンロードしたところ、速度は下り9Mbpsを実現、13秒以内にダウンロード完了した。MIMOを利用すれば速度は倍増するという。ストリーミングでは伝送速度2.2~2.5Mbpsで高画質な動画を再生できた。
ブロードバンドは固定、モバイルともに加入者を増やしている。モバイルではHSDPAの実装が着々と進んでおり、現在世界75カ国・170以上のネットワークが商用のHSDPAサービスを提供しているという。端末は携帯電話を中心に400機種がHSDPAをサポートしている。
HSDPAの実力は実証済みだ。Ericssonで無線製品部門担当副社長を務めるUlf Ewaldsson氏が引用したのは、モバイルと固定のブロードバンド技術について、それぞれパフォーマンスをテストしたオーストリアの新聞だ。ここでHSDPAは下り最大2.142Mbps、上り897kbpsを出したのに対し、固定(DSL)は下り2.03Mbps、上り264kbps。「モバイルブロードバンドのパフォーマンスは固定のDSLと肩を並べるレベル」とEwaldsson氏。
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Ericsson無線製品部門担当副社長のUlf Ewaldsson氏 |
スピード、カバーエリア、端末に並んで問題とされる料金でも、障害は低くなってきた。日本のようなデータ定額制、さらには3 Sweden(スウェーデンの携帯電話事業者)のように7.2Mbpsを無制限で月額21ユーロとするところもあるという。
このようなモバイルブロードバンドの普及を受け、日本や韓国以外では課題だったデータ利用も増加している。Ericssonの調査によると、2007年5月、W-CDMA/HSPAネットワークを行き交うデータは音声と同じトラフィックとなり、その後もデータは上昇を続けている。データ通信で最大の比率を占めていたSMS(テキストメッセージング)も、その比率は少なくなっており、SMS以外のデータ売上げは2008年第1四半期、前年同期比93.5%増で拡大したという。
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