OKIデータは2月8日に都内でプライベートショー「OKI Printing Solutions Fair 2008」を開催した。今年1月に就任したばかりの新社長杉本晴重氏のプレゼンテーションで始まったセミナーは、「DTP」「ビジネス」と2つのテーマに分かれた内容。さらに、同じ会場でMICROLINEシリーズ、Cシリーズを中心とする最新のOKIデータ製品が展示され、同社の2008年に向けた意気込みが伝わるものとなった

最初に壇上に立ったのは、今年1月に同社代表取締役社長兼CEOに就任したばかりの杉本晴重氏。「現場で見たり聞いたり、社外の方と話をすることが新しいアイディアのヒントになる」という挨拶に始まり、OKIデータが考える新しいプリンティング事業について、最新情報が次々と披露された。

代表取締役社長兼CEO杉本晴重氏

まず最初に紹介されたのは、OKIグループの中で現在、同社のプリンタ事業が中核をなす事業に成長していること。そして、さらなるシェア拡大のため、OKIとの技術融合を積極的に進めていきたいという事業展開についてだ。その具体的な例として挙げられたのが、2006年9月に発表された「エピフィルム・ボンディング技術」(異種材料間で接合を行うOKIデータ独自開発の技術)とOKIの半導体グループのSOI/SOS技術を融合すること。この2つの技術の融合により、より低消費電力で高密度化された超積層LSIやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微少な電子部品から構成されるデバイス)の開発が可能になるという。

エピフィルム・ボンディング技術は、シリコン上に生成した半導体を剥離した膜(フィルム)技術とそれを他の半導体上に接合(ボンディング)する技術のこと。左の写真の台形部分が同技術を使用したLED

エピフィルム・ボンディング技術は、A4機カラープリンタのC3400nやA4カラー複合機C3530MFPに採用されている。写真は、C3530MFPと搭載しているDigital LED方式のヘッドの拡大写真

また、昨年発足したユビキタスネットワークプロジェクトも紹介された。これは、IP技術を利用した次世代電話網「NGN」(Next Generation Network)の到来を見越したプロジェクトだ。これもOKIとの技術融合がポイントとなり、セキュリティ性も踏まえたプリンティング・ソリューションを提案していきたいという。これらのプレゼンテーションから、OKIデータだけではなく、グループ企業全体の技術力の高さをあらためて感じることになった。