資生堂は、スキンケアブランド「エリクシール シュペリエル」の新コンセプト「笑顔のハリ」と新CMを発表(CM発表会の模様はこちら)。あわせて「笑顔」について同社が行った調査を元にしたシンポジウムを開催した。ここではシンポジウムでテーマである「いい笑顔をつくるためのポイント」についてレポートする。

シンポジウム出席者。左からMCのフリーアナウンサー・中井美穂氏、日本女子大学人間社会学部教授・須賀哲夫氏、美容研究家・犬童文子氏、資生堂 国内化粧品事業スキンケアユニット・武石典子氏

同社は昨年の11月に「笑顔に関する意識・WEBアンケート」※を実施しており、シンポジウムではそのアンケート結果を中心に話が進められた。「加齢とともに笑顔になる回数が減る」、「笑顔には人を元気にするパワーがあると考える女性が多い」、「笑顔は肌をきれいに見せると考える女性が多い」などの結果が公開され、「笑顔でいたいと思いながらもその機会が減ってしまっている」という大人の女性の現状が明らかになった。

「笑顔に関する意識・WEBアンケート」(c)資生堂

※アンケートは20~40代の各世代100名、計300名の女性を対象に行われた。

笑顔をつくるのは肌内部の表情筋

笑顔減少の原因について、「パソコンや携帯メールなどのツールの多様化によって、表情を必要としないコミュニケーションが増えている」と指摘したのは、NintendoDSのソフト「顔トレ」の監修を務めた美容研究家の犬童文子氏。そのような社会的背景に加え、人間の表情をつかさどる表情筋が、年齢とともに硬くなることも原因のひとつだという。表情筋を衰えさせないためには、意識的に人と顔を合わせる機会をつくり、笑顔の回数を増やすことが重要というわけだ。

また、笑顔の回数は、普段の顔立ちにも影響するという。「顔立ちは、もって生まれた骨格に、その人が日常的にどんな表情をよくするかという環境要因が加わって決まるもの」と話すのは、相貌(そうぼう)心理学の日本における第一人者で日本女子大学人間社会学部教授・須賀哲夫氏(相貌心理学とは、顔立ちからその人の行動パターンや性格、人間性を分析する学問)。笑顔の回数が多くなれば口角を引き上げて笑顔をつくる大頬骨筋が鍛えられ、笑顔の似合う顔に近づいていくのだという。相貌心理学ではこれを「自然整形」と呼び、目的意識を持ってサプリメントを摂取するなどの「計画的整形」とともに顔立ちを改善する方法と考えられている。

笑顔が肌にハリをうみ、肌のハリが笑顔を豊かに

この「計画的整形」のひとつがスキンケア。資生堂 国内化粧品事業スキンケアユニット 武石典子氏は「笑顔にもっとも影響する肌の要素はハリ。肌にハリがないと、目元や頬、口角が下がり唇が薄く平坦になり、笑顔とは逆の下方向へのラインが強調されてしまう」と語る。笑顔になった時も、ハリのある肌とない肌では頬のふくらみの豊かさに差が出るというのだ。

真顔よりも笑顔、ハリのない肌よりもある肌の方が顔が立体的に見える

資生堂の調査によると、肌のハリは真皮にあるコラーゲン線維が線維芽細胞によって引っ張られ、ピンと張ったコラーゲンネットを形成することで保たれているとの事。「エリクシール シュペリエル」は、、このコラーゲンとエラスチンを肌に提供することで肌のハリを高め、新コンセプトである「笑顔のハリ」を実感できるような肌に導くという。

「エリクシール シュペリエル」シリーズのスキンケア・ベースメーキャップ各商品。スキンケアは「ハリ」ケアと「美白+ハリ」ケアの2タイプでの展開となっている

「表情筋は放っておくと衰えるものですが、鍛えれば笑顔に輝きが生まれます」とは前出の犬童氏。一方、アンケートでは、「笑顔には肌をきれいに見せる効果ある」と考える女性が全体の約8割に上ることがわかった。さらに武石氏によれば、適切なスキンケアによってハリが保たれた肌は笑顔の立体感を高め、溌剌とした明るい表情に見せてくれるという。表情筋と肌表面のケアを心がけ、両者が効果を高めあう"笑顔スパイラル"を意識することが、いい笑顔をつくる秘訣のようだ。