【レポート】
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KDDI代表取締役社長の小野寺正氏 |
KDDIは、25日に2007年度第1-3四半期(2007年4-12月)の連結決算を発表した。売上高は対前年同期比7.2%増の2兆6,387億円、営業利益は同17.4%増の3,710億円、経常利益は同17.5%増の3,755億円、当期純利益は同12.4%増の2,148億円で増収増益だった。売上の3/4を占める携帯電話事業(au+ツーカー)が堅調を維持し、固定通信事業の営業損失を補って余りある結果となった。同社は、この実績を受け、通期業績予想を見直し、売上高は3兆5,000億円から3兆5,800億円に、営業利益は3,900億円から4,140億円に、携帯電話事業の営業利益は4,380億円から4,680億円にそれぞれ上方修正した。
同社事業の中核である携帯電話分野は、売上高が前年同期比6.3%増の2兆1,004億円、そのうちauは同9.1%増の2兆903億円で、同分野全体の営業利益は同22.5%増の4,114億円だった。第1-3四半期の純増数は137万(auが188万増、ツーカーが51万減)、同期末の全体の契約数は2,955万5,000で、今年度末通期目標の3,000万にあと一歩の状況となっている。ナンバーポータビリティ制度(MNP)の利用による同期の純増数は48万1,000(auが50万2,000、ツーカーが2万1,000減)。
auのWIN契約数は1,813万で、パケット定額制の契約率は75%に上っている。WINの契約者はARPU(Average monthly Revenue Per Unit:一加入者あたりの月間平均収入)が高く、この層が増えれば、全体のARPUを下支えする効果がある。2007年12月末時点でのWIN契約者は全体の62%となっており、前年同期比で13ポイント上昇している。
総務省のモバイルビジネス研究会の報告を受け、端末の販売手法が改められ、同社は2007年11月12日から「au買い方セレクト」を開始した。新制度始動から未だ1カ月半ではあるが、ここまでの状況が公表された。それによれば、従来通り、端末をできるだけ初期費用を抑えて購入することを望むユーザー向けの「フルサポートコース」の選択率が9割を超えている。また、同制度開始直後には、新機種待ちとともに、端末の店頭価格が上昇するとの誤解により、店頭を訪れる客数がやや減った。ただ、来店者は店頭での説明を受けると、価格が変わらないことなど新制度に理解を示しているという。こうしたことから、同社では、新制度の認知度向上と、端末の製品体系をさらに魅力あるものとしていくことに注力する意向だ。
同社の小野寺正社長は「フルサポートコースは十分メリットのある形式だが、それが周知されていないところがある」と指摘するとともに「店に足を運んでもらうことが重要だ。ユーザーが最も魅力を感じるのは端末であり、いっそうのラインナップ充実を図りたい」と話している(28日に新製品10機種を発表している)。
MNPでは同社は優位に立ってきたが、携帯電話市場の競争激化はまだ続いている。NTTドコモも端末販売を改め、ユーザー流出阻止に躍起であるとともに、米Googleと提携し、YouTubeを含むGoogleのほとんどすべてのサービスをドコモ端末上で実現させようと目論んでいる。また、ソフトバンクモバイルは「学生」を対象に、ホワイトプランの基本料を3年間無料にする「ホワイト学割」を打ち出し、auが非常に強い「学生」層を狙い撃ちしようとしている。
こうした状況について小野寺社長は「Googleとの提携は我々の方が先行している。NTTドコモは後追いで入ってきたのではないか。同社はauのやることはすべてやるといっているようだが、当社は常に彼らに追いつかれないように一歩先を行きたい」と話す。また「ソフトバンクの学割は期間限定で、短期間に契約数を増やそうということなのか。学割への何らかの施策は考えるが、期間限定の割引きというような妙な制度はやらない」と述べた。
一方で同社は、東海地方を中心にFTTHサービスを展開している中部テレコミュニケーション(CTC)の発行済み株式総数の80.5%を約380億円で、親会社の中部電力から買収することを正式に発表した。CTCは中部電力の100%子会社で、総延長7万2,000kmに及ぶ光回線網を保有、愛知県の主要地域、岐阜、三重、静岡各県の一部でサービスを提供しており、KDDIとしては、東京電力からFTTH事業を買収したのに続き、この地方でも自前のインフラを取得することになる。また、中部電力は引き続きCTC株19.5%を保持し、KDDIでは今後もFTTH事業で中部電力の協力を得て、事業拡大を図る考えだ。
小野寺社長は「CTCのネットワークと、当社のau携帯電話やさまざまなサービスを融合させ、品質の高いサービスを提供し、顧客満足度をより高くしていくことができる」と述べ、現状ではKDDI・CTCあわせて12%程度であるこの地方でのFTTH事業のシェアを、30%に伸長させることを目指す。
FTTHでは「NTT(のインフラ)への依存率を低くしていくことが重要」と小野寺社長は力説する。携帯電話は実に好調な同社も、固定通信事業は様相が異なる。今期の売上高は同0.4%減の5,343億円、営業損益は478億円の赤字で、赤字幅は前年同期比で223億円大きくなっている。FTTHサービスの「ひかりONE」は69万8,000回線に達したが赤字だ。期初予想では今年度末に90万回線と見込んでいたが、今回、これを73万回線に下方修正している。小野寺社長は「FTTHにはいくつか誤算があったのは事実だ。販売コミッションをもう少し下げられるとみていたが、下げ切れなかった。ただ、販売コミッションを使うのは、サービスが十分ユーザーの満足の行くものになっていないことが大きい」としており、新たなサービスの投入で、ユーザー数増大を図る意向を示した。
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