MySQL 5.0.54以前にも、パフォーマンス関連の改善がなされたことはあった。直近では、5.0.50で行われたクエリキャッシュのパフォーマンス改善が挙げられる。「クエリキャッシュ」とはMySQLの独自機能で、SELECT文の実行結果をキャッシュしておいて、当該テーブルに対する更新が行われない限り、キャッシュしてある結果をそのまま返すことで高速化を実現する、というものである。MySQL 5.0.50未満では、クエリキャッシュのサイズが大きい(数百MB程度)と、クエリキャッシュの空き領域を確保するための処理のために、あらゆるクエリが数秒 - 数十秒程度待たされることがある、という問題があった。このバグは5.0.50で修正されている。

MySQL5.0.54で行われた修正は多くのユーザーに意味があると言えるだろう。5.0.54は、MySQL Enterpriseとしてリリースされている。MySQL Enterpriseサブスクリプションを購入したユーザーであれば、専用サイトからLinux/Windowsなどプラットフォーム別にビルドされたバイナリの入手ができる。そして、MySQL ABの専門スタッフによるオフィシャルサポートを受けることができる。また、MySQL ABのコンサルティングサービス(有料)などを活用することによって、リスクを最小限に抑えてバージョンを上げることも可能である。

今回の修正でバージョンアップを検討される方も少なくないと思われるが、性能を活かしきるためにはチューニングが必要な場合もあるだろう。MySQL ABのコンサルティングサービスや、Platinumレベルのサブスクリプションを購入すれば、パフォーマンスチューニングなどについてもサポートを受けられるので購入を検討されたい。サポートはサブスクリプションのレベル(Basic/Silver/Gold/Platinum)に応じて内容が異なる(詳しくはこちらのページを参照)。

MySQL Enterpriseの購入に関する問い合わせは、MySQL株式会社や、MySQL株式会社のパートナー企業まで。またコンサルティングに関するご質問については、consulting-jp@mysql.comまでお問い合わせいただきたい。