【レポート】
「売り手市場」と言われている現在の就職/転職事情だが、採用する側もバブル時代と違って「誰でもいいから来てほしい」というほど甘くない。ましてや正社員を採るとなれば真剣そのもの。少しでも"アタリ"を引くべく、慎重に書類選考を行い、数度の面接を経て、「コレならいけるかな」と多少の自信をもって採用したはずなのに、現場に配属したらまったく使えない"ハズレ"だった…こんなふうに、自分の人を見る目のなさを嘆きたくなる経験を(何度も)もつ採用担当者は少なくない(本当に泣きたいのはハズレを押し付けられた現場の人間なんですけどね)。
もっとも、日本よりはるかに労働市場が流動的な米国でも採用担当者の悩みは同じらしく、それゆえ「採用時の心得」ノウハウも数多く出回っている。今回はその中のひとつ、AllBusiness.comというビジネスサイトに掲載されていた記事「採用時のミス トップ10(Top 10 Hiring Mistakes)」の10項目を紹介したい。「やってはいけない」の裏を返してみれば、採用時に見るべきところが見えてくる!?
()内は原文から、→以降は筆者の書き換えです。
残念なことに履歴書を偽造する応募者は洋の東西、職種を問わず、少なからず存在する。学歴詐称なんてすぐにバレそうなものだが、なぜかこういった類の詐称は後を絶たない。
少なくとも、履歴書に書かれた経歴が本当かどうか、重要な部分に関してだけでも裏づけを取ったほうがいい。ここで手を抜いた結果、虚偽の書類で応募するような人材を採ってしまえば、その後のダメージは計りしれない。多少のコスト(費用、時間、手間)は必要と割り切るべきだろう。方法としては、卒業証明書の提出を求める、前の会社に問い合わせる、興信所や調査会社を使う、などが挙げられる。AllBusiness.comの別の記事では「応募者の経歴チェックは採用時の最も重要な作業」と位置づけ、全応募者に対し"当社では経歴チェックを行います"と宣言すべし、とまで言い切っている。
高学歴好きの経営者が多いのは日本だけではない。米国は日本以上に学歴社会と言われており、一流大学の大学院やロースクール出身の肩書きは多くの企業でもてはやされる。卒業した学校の数も1つや2つではない応募者も多い。
高学歴はたしかに魅力的な条件だが、同記事では「実社会でのビジネス経験に代わるものはない」と、行き過ぎた学歴偏重の傾向をたしなめている。また、「学歴に比べ、ビジネスで挙げた業績は見落とされやすい」とも。「どの学校を出たか」よりも「どんな仕事をしてきたか」を重要視せよ、というきわめて当然のことなのだが…耳が痛い採用担当者も多そうだ。
今、人が足りない、だから募集する…たしかに一時的に人不足は解消されるかもしれないが、場当たり的な採用を繰り返していると、必要なときに必要な人材が揃えられない事態に陥りやすい。また、その場の忙しさを解消するために採ってしまった人材は、その後、どう育て、活かすのか? 同記事では仮にそういった状況で採用を行った場合、すぐに長期的な育成プランを立てるべきだとしている。どんな事情であれ、採用した以上は責任が生じるからだ。目先の利ばかり追っていると、結局あとで苦しむことになるという、これも至極真っ当な話なのだが。
同記事ではこれを「高くつくミス」としている。企業が候補者を見極めているように、応募者もまた企業を見定めている。いくら欲しい人材だからといって、よく考えもせずに美味しい条件を口走ったりすると、あとで痛い目に遭いかねないということだろう。「事前に提示できる条件とできない条件をはっきりさせておくこと」が必要だとしている。
米国でも縁故採用やルックスなどが好みだから採用というケースは多いらしく、同記事では「残念なことに最もありがちなミス」と憂えている。「その人がその仕事を任せるに最もふさわしい人材かどうか」だけに焦点をあわせるべき、だという。たしかにその通りなのだが…これは採用担当者というよりも、経営層に向かって言うべきアドバイスのような気がする。
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