「HDMIリンク」機能が登場して以来、テレビと一緒にレコーダーやホームシアター機器をまとめて買う人が増えてきているという。「HDMIリンク」によって、接続や使いこなしに不安が払拭されたため、レコーダーやホームシアター機器が精神的に身近になってきているのだろう。それだけに、メーカーとしても、テレビ単体ではなく、AV機器全体で商品の魅力を高めるようになってきている。

そこで不満を感じるのは、これらの機能は基本的に同一メーカーのみの対応となるため、他社の機器との組み合わせがやりにくくなってしまう点。「HDMIリンク」機能を持つ他社との互換性は気になるところだろう。「HDMIリンク」機能には、各社共通の基本命令と独自の機能を実現する拡張命令がある。例えば、電源ON/OFFの連動は他社の機器でもほぼ動作するが、録画予約となると他社の機器間ではうまく動作しない。各社が提案する機能のすべては使えないが、他社との組み合わせでもそれなりの利便性は実現できるので、テレビとレコーダーでそれぞれに異なるメーカーのモデルが目当てなら、「HDMIリンク」に固執しすぎる必要もないだろう(ただし動作検証などは行われていないので、使用する場合は自己責任で)。

「HDMIリンク」対応モデルが増えてきた現在では、パナソニックとビクターが「HDMIリンク」に互換性を持たせているほか、東芝やパイオニア、三菱など、他社の機器との連係を意識したメーカーも増えている。いずれにしても、「HDMIリンク」のおかげで、テレビのさまざまな楽しみがより快適になったことは間違いない。今冬、薄型テレビの購入を考えている人は、各社の「HDMIリンク」に対応した機器のラインナップや、「HDMIリンク」で何ができるのかを、重要な検討材料に加えてみてはいかがだろうか。

取材/文:鳥居一豊
撮影(画面撮影):高原マサキ