【レビュー】

オープンソースなタッチパネルゲーム機GP2X-F200レビュー

3 ソフトを自作するためには

    rerofumi  [2007/12/05]

    GP2Xではソフトウェアを自作できることが魅力ではあるが、それを開発するにはどのようにすれば良いのだろうか。ここでは、その概要について説明したい。

    基本的なところでGP2XはLinux上で動作しているので、そのアプリケーションは全てがLinuxアプリケーションとなっている。なので、Linux上で動作するアプリケーションが作成できることというのが求められる最初のスキルとなる。

    アプリケーションの標準SDKは「SDL」(Simple DirectMedia Layer)となっている。良くも悪くもSDLでできるようなことしかできないといっても良いだろう。SDLといってもGP2XではOpenGLが動作していないので、GLサポートはなしとなる。SDL以外にも各種趣向を凝らしたSDKが開発されていて選択できるが、SDLは枯れている上にWindowsやMac OS XそしてLinuxが動作しているPC上で動作するので、ソース互換なアプリケーションが作りやすいといったメリットがある。

    本体左側にボリュームキーがあるが、これはただのボタンである。ボリュームキーが押されたら音量を変化させるコードをソフトウェア的に自分のアプリケーションに書く必要がある

    正直なところ、CPUパワーはそこそこだけれども画面描画が貧弱である。2Dだとしてもあまり凝ったゲームは作れないところではあるが、そこはアイディアと使い方次第といっておこう。

    ちなみに、本体左側にボリュームキーがあるが、これはただのボタンである。ハードウェア的に音量が変わるわけではない。つまり、ボリュームキーが押されたら音量を変化させるコードをソフトウェア的に自分のアプリケーションに書いておかなければならない。

    なんとも大らかな話ではないか。多くのゲームにおいて起動したら爆音をとどろかせているのはそういった理由からである。

    開発環境はどんなもの?

    GP2Xを開発するためのカッコイイ統合開発環境なるものは現在の時点で存在してはいない。Eclipse上で開発できるようなプロジェクトがテストされているが、まだ主力ではないように見える。

    PC上でGP2Xのアプリケーションを開発するには、ARMのバイナリをコンパイルするクロスコンパイラが必要となる。GCCGNU toolsによるクロスコンパイラとライブラリは「GP2X File Archive」というサイトから「devKit」という名前で入手でき、Windows向け、Linux向け、Mac OS X向けなどが配布されている。

    クロスコンパイラとライブラリだけでは開発が困難なので、最低限Makeが欲しくなるところ。Windowsの場合そういった周辺環境はdevKitに同梱されているMinGWを使うか、Cygwinで揃えていくことになる。そしてそれらをコマンドラインから扱えることこそがGP2Xのアプリケーションを開発するために必要なスキルといえよう。Makefileを自分で書けるぐらいが望ましい。

    PythonのSDLバインドであるPyGameや、PerlのSDLバインドであるPerl-SDLといったライブラリを使うことでスクリプト言語によるアプリケーション開発が行えるようになっている。だが、それらのインストールにもそれなりなスキルが伴うため、難易度としてはそんなに変わらないのではないだろうか。

    このようにGP2Xがいくらオープンだといっても、ソフトを開発するためにはスキルがそれなりに必要となる。経験がないと難しく感じるかもしれないが、これらクロスコンパイルの環境や手法は組み込み系開発では当たり前の事柄である。組み込み系のエンジニアを目指すのならば、スキルを磨くトレーニングとしてGP2Xにチャレンジしてみるというのはいかがだろう?

    そしてゲームも、再びCG(Consumer Generated)な時代に

    ニコニコ動画の席巻などにより、時代はCGM(Consumer Generated Media)などといわれることが多くなってきたように思う。

    ゲームの世界もCGMになるのかといった議論になりがちであるが、歴史をひもとけば、元々ゲームはユーザーが作成するところから始まっているし、オンラインゲームは半分CGMともいえる。何より、日本には同人ゲームという特筆すべきプロシューマ界が存在している。日本こそ、ゲームとCGMというものは何かと仲が良いのではないかと考えている。

    そんな中、GP2Xというオープンなゲーム機向けのアプリケーションを作成することで何かが見えてはこないだろうか?

    ゲームを自作する喜びをGP2Xから貴方へ。

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