体験しながら鉄道のしくみを学べるラーニングゾーン

博物館内には、ラーニングゾーンというものがあり、1~3階のラーニングホールと、屋上のパノラマデッキから構成されている。1、2階はきっぷの購入や自動改札、車両のしくみなどを遊びながら学べるようになっていて、子どもたちで賑わっていた。3階は、すでにある程度鉄道への関心を持っている子どもや、鉄道ファンの大人向けといえるやや高度な内容。蒸気やディーゼル、電気といったそれぞれの動力伝達と制御のしくみを解説している。

しかし、模型でエンジンや台車の動きを確認できるなど、やはり体験型要素が組み込まれている。中央に設置された「パンタグラフの上げ下げ」は、大混雑の中も待ち時間ゼロだった。実車の展示がないEF65もここでは大きく紹介されており、ブルトレ世代から上の大人が童心に帰れる場所かもしれない。

ラーニングホール2階。「ハンドルのない列車がどうしてカーブを曲がれるのか? 」の問いにあなたは答えられるか!? 秘密は車輪の形にあった……

ブルトレ世代に人気があるEF65形式電気機関車の大きなグラフィック。EF65とクモハ157系の模型を並べ、電気機関車と電車の違いを解説

館内を見た後は屋上のパノラマデッキへ。このデッキからは、東北、長野、上越新幹線やニューシャトル、川越線や高崎線といった在来線の線路を見ることができる。これは、展示ではなく、実際に列車が走っている線路。とにかくここからの眺めがすばらしい。私の場合、博物館内で歴史的な車両と親しみ、鉄道のしくみを学んだあとは、実際に動いている現在の鉄道を堪能した。パノラマデッキからは、特に新幹線の様子がよく見える。駅が近くにあるため速度が落ちており、顔や連結部分をじっり見ることができる。子どもたちも大喜びしていた。

左から、新幹線(東北、長野、上越)、ニューシャトル、ミニ列車、試運転線(大宮総合車両センター)、在来線(川越線、高崎線)の線路

大人の空間、コレクションゾーン

交通博物館1階にあった様々な時代の列車の座席

ヒストリーゾーンやラーニングゾーンには、交通博物館ファンには見覚えのある展示物が随所に見られ、鉄道関連の展示物がしっかりと受け継がれていることが感じられた。さらに、交通博物館にあったそれ以外の鉄道関連資料の一部を保管、展示している場所がある。2階のコレクションギャラリーだ。「廃棄されてしまったのでは……」と不安に思っていた古い展示物が大切に展示されており、ほっとした。このエリアに入ってくるのは、鉄道好きの大人が中心で、ゆっくり見学することができた。

ギャラリーに隣接する形で「ライブラリー」もある。ここは、鉄道に関する図書などを閲覧できる図書館で、土日祝日のみ公開している(複写、館外貸し出し不可)。さらに企画展を行う「スペシャルギャラリー」もコレクションゾーン2階にある。2008年2月25日までは、「新幹線の挑戦~より速く、より快適に~」を開催している。

華やかなヘッドマークの数々

懐かしのアイテム「タブレット」。これだけたくさんの種類が見られるとは、さすが鉄道博物館!