スパコン関係では世界最大の学会であるSC07が、11月10日からネバダ州のリノで開幕した。但し、最初の3日はチュートリアルなどが行われ、基調講演が行われて本会議が開催されるのは11月13日であり、ベンダーの展示が始まるものこの日からである。今年は、2006年にノーベル賞を受賞した天文学者のSmoot博士の基調講演を含めて4件の基調講演、79件の論文発表、更に展示企業の発表やポスター展示による多数の発表が行われ、名実ともにスパコン関係の最大の学会である。

SCは、現在ではInternational Conference on High Performance Computing, Networking, Storage and Analysisというのが正式名称であるが、略称としては、SuperComputingという名称であった時代のSCが引き続き使われており、こちらの方が馴染みがよい。

会場となったReno SPARKS Convention Centerの外観と、SC07へようこそと書かれた入り口。

昨年のSC06の出席者は8000人程度であったが、今年のSC07の参加者は9000人を超えると予想されており、IEEE/ACMが主催する学会の中でも最大級の学会である。非常に多数の参加者があるために大量のホテルの部屋を確保する必要があり、ラスベガスと同様にカジノと巨大なホテルが立ち並ぶリノは、最適といって良い場所のひとつである。

会場となったSPARKS Convention Centerは、町の南端にあり、巨大ホテルが並ぶエリアからは多少離れており、ホテルとの間に、15分間隔程度で5系統の無料バスが運行されている。会場の写真に写っているのは、この無料バス用にチャーターした観光バスである。

参加者登録のピークは12日の月曜と思われるが、筆者の登録した11日の午後にも列が長くなるほどではないが、途切れず参加者登録の人が訪れていた。そして、そのロビーの中をHPC ChallengeやTop500の主催者であるDonngarra博士が忙しそうに飛び回っていた。

SC07のレジストレーション風景。

なお、Top500と言えば、前回、東工大のTSUBAMEが14位に後退し、トップ10から日本勢が姿を消してしまった。今回、TSUBAMEはClear Speed社のアクセラレータを追加して能力アップを行っており、返り咲きを期待したいところであるが、会場で東工大のTSUBAMEの責任者である松岡教授に伺ったところ、性能は54TFlops程度とのことであり、Top10返り咲きは難しそうである。

また、ベンダー各社の展示が13日から始まるので、展示会場では忙しく設営が進んでいた。次の写真の左側にみえるSunのブースには荷解きを待つ箱が多数見られるし、右側手前には巻かれたままのカーペットが見える。また、画面中央には、荷物を運ぶフォークリフトが通路を走っている。

SC07ベンダー展示会場の設営風景。

マイコミジャーナルでは、基調講演や注目すべき論文、そして興味あるベンダー展示などを紹介していく予定である。