【ハウツー】

ARMプロセッサ活用法 - 低消費電力のための機能「DVFS」「IEM」のしくみ

1 組み込み機器に強く要求される低消費電力化

    平井幸広/丹羽清司  [2007/11/12]

    組み込みエンジニアの方や、最新の電子機器に興味を持つ方の中には、「ARMプロセッサ」という言葉を聞いたことのある方も多いことだろう。ARMプロセッサは、英ARMが開発したプロセッサコア(ARMコア)を採用したCPU(プロセッサ)のことである。そしてこのARMプロセッサは、さまざまな半導体ベンダから提供されている。

    ARMプロセッサは、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機などの低消費電力が要求される組み込み機器を中心に採用されている。ARMコア(以下、ARM)は、低消費電力化のための機構や、電圧と周波数を効率よく制御するためのソフトウェアが用意されており、消費電力の少ない組み込み機器を開発するためには、これらを上手に使うことがポイントになる。

    本稿では、ARMの低消費電力化ソリューションについて解説する。

    組み込み機器に強く要求される低消費電力化

    組み込み機器の開発においては、低消費電力化を図ることが強く要求される。なかでも特に問題となる機器は、電源に電池を使用した携帯型のもので、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機などが挙げられる。

    これらの機器の場合、たいていは充電可能な電池を使用しているのが、通常の使用方法で1回の充電で数日はもたないと「使い勝手が良くない」とされてしまう。例えば、携帯電話が1回の充電で1時間しかもたないとか、ゲーム機が1回の充電で30分しか使えないようでは、魅力のある製品とはいえないだろう。

    電池で駆動する組み込み機器は、どこでも手軽に使えるために大変便利である。ところが電池が切れたとたんに使えなくなってしまうため、電池が長持ちするかどうかはつねに心配の種となる。それから、新製品ほど電池の持ちが良いとは限らない。これは性能向上のために消費電力が増えてしまい、使用時間が犠牲になることもあり得るからである。

    日々、組み込み機器に要求される処理は高度になり、利用するプロセッサは高速になっている。プロセッサが高速になれば、それだけ消費電力も増えることとなるが、電池は長持ちさせなければならない――つまり、積極的に低消費電力化を図ることは、もはや必須となっている。

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