中国でインターネットメディアから電子商取引、オンラインゲームまで、さまざまな領域で調査研究を行っているiResearch(艾瑞瑞咨詢集団)はこのほど、2007年の第2四半期における中国オンラインゲーム市場に関する研究報告書「2007年第二季度中国網絡遊戯研究報告」を発表した。

報告書によると、2007年第2四半期に、中国のオンラインゲーム市場規模は26億5,000万元(約416億円)に達し、前年同期比で185.3%の増加となった。本稿では、中国の大手調査会社である零点研究咨詢集団などの調査結果も活用しながら、この急成長を支えている、中国のオンラインゲーマーの素顔を紹介したい。

独身者がプレーヤーの大半占める

オンラインゲームは若者の世界と言われているが、中国でも例外ではない。零点研究咨詢集団が北京、上海、広州、武漢、長沙、ハルビンなど8大都市で1,419人を対象に行ったアンケート調査によると、18~25歳のプレーヤーが31.3%、26~30歳のプレーヤーが19.7%を占め、両者で51%と過半数を超えるなど、若者中心の年齢構成であることがわかる。

さらにみていくと、30~40歳のプレーヤーが全体の28.3%を、40~50歳が15.1%を占めており、中国でオンラインゲームを楽しんでいる人の94.4%が、若年層と壮年層で占められることが浮き彫りになっている。

次に性別構成をみると、男性プレーヤーが依然として半分以上の58.3%を占めているものの、女性プレーヤーの割合も41.7%まで上昇。徐々に「天下二分」の構図になりつつある。また、そのなかでも独身者がプレーヤー全体の大半を占めており、オンラインゲーム市場がほぼ独身者層に支えられている傾向が読み取れる。

学歴でみると、短大卒と大卒のプレーヤーが全体の41.8%、高卒が38.6%を占めている。2005年末時点で、中国の総人口中、短大以上卒が5.4%を、高卒が12.6%しか占めていないことを考えれば、プレーヤーが高学歴者、特に短大卒と大卒で占められていることが明らかになっている。

また、職業別構成をみると、会社員が25.2%、エンジニアと弁護士、記者などの専門職が10.9%、中間管理職と高級管理職が10.5%を占め、4者合計で46.6%となるなど、いわゆる「ホワイトカラー」がプレーヤーの半分近くを占めていることがわかる。

プレーヤーの月収から調べると、1,001~2,000元(約1万6,000~3万2,000円)が全体の40.2%を占め最も多く、次いで1,000元(約1万6,000円)以下が21.8%、3,000元(約4万8,000円)以下が14.2%、無収入が8.8%、4,000元(約6万4,000円)以下が同5.3%、4,001~6,000元(約6万4,000~9万6,000円)が3.8%、6,000元(約9万6,000円)以上が同1.3%などとなっている。

非プレーヤーの月収と比較してみると、非プレーヤーでは1,000元(約1万6,000円)以下が全体の45.3%、2,000元(約3万2,000円)以下が31.6%、無収入が12.5%、3,000元(約4万8,000円)以下が5.3%、4000元(約6万4,000円)以下が1.9%などとなっており、相対的にプレーヤーの月収のほうが高いことがわかる。

オンラインゲームは仮想の世界とはいえ、使われる道具や敵を倒す武器などは、現実世界の人民元でゲームサイトから買うことになるため、一定収入をもつという背景がなければゲームを楽しめない。低収入層がオンラインゲームから遠ざかりがちな原因はこのあたりにありそうだ。