【レポート】

「アプリケーションはヒトのために開発されるべき」 - 米BEAのCTO語る

    大川淳  [2007/11/05]

    日本BEAシステムズは2日、企業活動を効率化するさまざまソリューション、技術を広く紹介する「BEA Japan Forum 2007」を開催するとともに、ビジネスを革新するためのプロジェクト「Genesis(ジェネシス)」を発表した。SOA(サービス指向アーキテクチャー)、BPM(ビジネスプロセス管理)、などの技術を融合させ、ITの進化、ブロードバンド化などにより、高速度で激変しているビジネスをとりまく状況に柔軟に対応できる開発環境、IT基盤の確立を目指す。

    米BEAシステムズ エグゼプティブ・バイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)のロバート・レビー氏

    米BEAシステムズのエグゼプティブ・バイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)のロバート・レビー氏は「SOA and Beyond~BEAが提唱する次世代エンタープライズシステム~」と題して基調講演、SOAのこれからのあるべき姿を論じ、アプリケーションに対する、新しい発想が必要であることを強調した。

    現在のCIOの大きな関心事は、まず成長についてだが、レビー氏は「成長には、外部的、内部的の2つの側面がある。外部的なこととしては合併・買収がある。企業には合併・買収のたびごとに圧力が加わることとなる。(合併・買収をした企業では)CIOはシステムが均質になるよう努力するが、異機種混在環境ができ、複雑化する。複雑性が増してくると、CIOたちには、革新的なプラットフォームを求められる。現状では、ITにかかわる投資はその8割が、システムの維持・管理のために費やされており、競争力向上のためには2割しか使われていない。コストをできるだけ削減し、早い変化に迅速に対応しなければならない。さらに、それだけではなく、競合に対する優位性も必要になる。長期的に使用することができ、新しいアプリケーションがすぐに稼動できるようなインフラを整えなければならない」と話す。

    SOAは、アプリケーション、作業などを組み合わせたサービスを単位として、その集合でシステムを構築する手法だ。SOAにより「さまざまな機能がコンポーネント化、ビルトインされ、簡単に使えるようになった」。SOAは「数年前には、Webサービスを共有でき、新たなアプリケーションに対応が可能で、システムの再利用もできていたが、それだけでは不十分だ」とレビー氏は語る。「SOAは、ビジネスプロセスにも対応していなければならない。SOAは成熟するにともない、ダイナミック・ビジネスアプリケーションに進化する。ダイナミック・ビジネスアプリケーションは、ビジネスユーザーに力を与え、彼ら自身が、アプリケーションを変更できるようになった。旧来のアプリケーションは、まずシステムありきというかたちで、何の変更もできず、真の意味でのコラボレーションはできなかった。これからのBPM主導/駆動型の環境では、変化に対し、柔軟、迅速に対応でき、エンドユーザーとシステムが、双方向でやりとりできる。ビジネスプロセスがアプリケーションを変えるべきであって、その逆はない」 。 ダイナミック・ビジネスアプリケーションとは、急激な変化にさらされるビジネス環境に対応するため、企業が業務を進める上で必要となる要件を盛り込み、動的にビジネス・アプリケーションの構築や変更をすることができるようにする発想であり、「Genesis」はその基盤を提供するプロジェクトだ。ダイナミック・ビジネスアプリケーションは「変化を大前提に開発されている。システムのためでなく、ヒトのために設計されている」

    ダイナミック・ビジネスアプリケーションという考え方では、業務部門はIT部門に完全に依存しなくても、アプリケーションに変更を加えることができる。一方、IT部門は、業務部門がローカルに変更を加えても、「共通基盤は影響を受けないので安心できる」という。 また、レビー氏は「ITシステムのなかでは、30年前に書かれたコードが未だに動いている。新しい技術は日々つくられる。いまのITの、どの技術を導入すべきか、その選択もたいへんだ。これまでのアプリケーションは変化にはついていけない。SOA、BPMなどを組み合わせることができるシンプルなプラットフォームが必要になる」と指摘、「Genesis」は、このような状況に対する解決策のひとつにもなる。

    レビー氏はSOAの効果的な活用例として、北欧の銀行を挙げた。その銀行は3-4年で20行もの銀行を合併・買収したという。それらのITシステムは当然、まちまちで、バックエンドには、大型汎用機をはじめ、別々のさまざまな基盤があった。BEAでは、システムの中間となる層にSOAを介在させ、それぞれの既存システムはそのままにして、共通のフロントエンドを実現、「エンドユーザー側からは、1つの銀行にみえるようにしたが、バックエンドはまったく変えなかった」

    同社では、SOAを推進するため、「BEA AquaLogic」製品群を投入している。「BEA AquaLogic」は、ほとんどの主要なプラットフォーム上でサービスを構築でき、サービスの管理もになっている。「Genesis」は「BEA AquaLogic」製品群が描いている理想のSOAを具現化させる要素として位置づけられている。

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