【レポート】
飛行船というと皆さんはどんなイメージがあるだろうか? 多くの人は期待に広告が描かれ、宣伝のために飛来する飛行船を思い浮かべるのではないだろうか? ある意味、それは正しい認識でもある。というのも、これまで、飛行船による観光クルーズは日本では行われておらず、もっぱら広告宣伝や調査目的に使用されており、海外でも観光クルーズを行っているところはドイツ南部のフリードリヒスハーフェンにあるボーデン・ゼー号だけだったからだ。
その飛行船による観光クルージングが25日、日本飛行船とJTB西日本より発売された。定期飛行を行う企画としては日本初となる。
同企画のコースは、桶川の基地を出発して池袋~上野~浅草~汐留~六本木~渋谷~新宿~桶川という東京周遊コースで、約1時間半をかけて飛行する本格的なフライトだ。これ2007年11月23日~2008年1月5日までの27日間のフライトが予定されている。特に1月1日は「初日の出フライト」と題した早朝フライトが用意されており、プレミアムチケットになることは間違いなしだ。
飛行船と言うと、1937年5月6日に米国で起きたヒンデンブルク号の悲劇の印象が強く「安全性は大丈夫なの? 」という疑問を持っている人も少なからずいることだろう。当時、機体を浮かすために使われていたガスは可燃性の高い水素ガスだった。不燃性のヘリウムガスも存在したが、米国の法律関係により輸入ができなかったため、仕方なく使われた水素ガスが引火しての悲劇だった。
しかし、今回のクルーズで使われる「ツェッペリンNT号」では、不燃性で安全性の高いヘリウムガスが使われており、引火による事故が起きることはない。また、浮力を回転翼やジェットエンジンに頼っているわけではないため、墜落の危険性もほぼゼロと言っても過言ではない。しかも、仮に推進用のプロペラが停止しても、熱気球のようにバランスを取りながら運行できるのだ。
そして飛行船によるクルージングの最大の魅力は、なんと言っても静かなことである。ヘリコプターに乗った経験がある方ならご存知と思うが、とにかく機内がうるさく大声を出さないと会話も満足にできないという状況になる。しかし、飛行船は推進用のエンジンが小さいので、非常に静か。そのため、エンジン音などを気にせずに会話を楽しむことが可能だ。
また小型飛行機やヘリコプターの場合、離陸後、安定飛行状態になっても席を立つことは許されないが、飛行船では機内を自由に歩くことができるようになっている。しかも、ツェッペリンNT号のキャビン後方にはパノラマ状で地上を見下ろすことができるスペースも用意されており、飛行高度も300~600mと一番雰囲気の良い高度を飛行する。速度もゆっくりしているため、まさに「空中散歩」という雰囲気を味わう事ができるのが飛行船によるクルージングなのだ。
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