中国最大の通信関連展示会、「PT/Expo Comm China 2007」が23日から北京・中国国際展覧中心にて開幕した。主催は中国政府の情報産業部と中国国際貿易促進委員会。協賛は中国電信、中国網通、中国移動、中国聯通、中国衛通、中国鉄通の中国通信事業者全6社となっている。

今年で16回目の開催となるPT/Expo Comm China

昨年は香港でITU主催の「ITU TELECOM WORLD 2006」が開催されたために本展示会はスキップされており、今年は2年ぶりの開催となる。北京オリンピック前に商用化予定の中国独自技術・TD-SCDMA関連や、いまや世界で台頭する中国メーカーなど、注目される展示が盛りだくさんとなっている。

TD-SCDMA連盟、稼動可能な端末を多数展示

関連メーカーが多数の展示を行うTDIAブース

TD-SCDMAの業界団体であるTDIA(TD-SCDMA Industry Alliance)のブースでは、チップセットから端末、地上設備までTD-SCDMA関連メーカーが多数の展示を行っていた。

中でも目立っていたのが稼動可能な端末の実機だ。TD-SCDMA端末の端末の展示はこれまでも中国の展示会で見ることができたが、そのほとんどがテスト端末や稼動しないモックアップだった。今回の展示では、ガラスショーケース内で各メーカーの端末約50台がにまとめて展示されていたほか、各メーカーの小ブースに稼動端末が展示され来訪者が自由に操作することが可能だった。

TDIAブース会場内では実際にTD-SCDMAの試験電波が発射されており、音声通話やデータ通信など、実際に同方式による端末の動作状況を確認することもできた。特に中国では3Gサービスがまだ開始されていないこともあり、TV電話のデモは一番注目を浴びていたようだ。各メーカーの端末も現時点で市場に出せるだけのスペックを備えており、TD-SCDMAの商用サービス化が目前であることを感じさせるものだった。

音声通話端末の展示。試作モデルも含め50機種以上もあるのは圧巻だ

ブース内ではTD-SCDMAの試験電波が飛ばされており、展示端末は実際に通話などが可能であった

こちらはPCカード型端末によるデータ通信のデモ

中国TCLは今すぐにでも発売できるかのような広告まで作成していた。展示機も完全動作可能な商用化目前のモデルとのこと

TV電話をその場で実際にテストできるデモは来訪者の一番人気のようだ