Surf Control買収でサービス拡充へ

米Websense Japan/APAC担当副社長 Timothy Lee氏

ウェブセンス・ジャパンは23日、情報漏洩対策ソリューションの新製品「Websense Content Protection Suite v6.1」の国内販売を開始した。米国では今年2月より販売されているもので、既に各種業界の90社以上のユーザー企業での導入実績があるという。今回は、日本語のコンテンツに対応したほか、日本固有の法令(個人情報保護法)に対応するガイドラインを加味したテンプレートを搭載するなど、日本市場での需要に対応した。

まず概要説明を行なった米Websense Japan/APAC担当副社長 Timothy Lee氏は、10月3日に業界2位だったSurf Controlの買収が完了したことが発表されたことをまず紹介し、Webフィルタリング・ソリューション・プロバイダとして同社が盤石の地位を固めたことを明らかにした。続いて近年の大規模な情報漏洩の事例とその影響について紹介し、情報漏洩が起こった際に企業や組織が被る打撃のコストが年々増加傾向にあることを示した。同社では"Content is key"(コンテンツが鍵)との考えから、コンテンツの内容に応じた保護を的確に行なえることが強みだとし、「日本をよりセキュアに仕事ができる環境にしていきたい」との意欲を示した。

「ビジネス上の脅威」に対応

米Websense セキュリティ製品担当シニア・ディレクター Davin Redmond氏

続いて製品説明を行なった米Websenseセキュリティ製品担当シニア・ディレクター Davin Redmond氏は、インターネットに存在する脅威が、コンピュータやネットワークの正常動作を阻害するような「運用上の脅威」から、企業活動そのものに打撃を与える「ビジネス上の脅威」へと変わりつつある現状を紹介し、Content Protection Suiteがインターネットから社内に入り込む脅威に対応する「ThreatSeeker」と、社内から外部に出て行く情報を精査する「PreciseID」という2つの技術を柱とし、両方向の保護を提供することができる唯一の製品だとした。

特に、内部から出て行く情報の保護に関しては、社内での機密情報の存在を把握する「Discover」、機密情報の移動を監視する「Monitor」、機密度に応じて適切な保護を行なう「Protection」の3つのプロセスで的確な対応を行なうことができるという。PresiceIDはハッシュ技術を応用したコンテンツ識別の手法で、保護すべき重要情報をあらかじめテキスト化した上でハッシュ化して保存しておき、出て行く情報をリアルタイムでハッシュ化して比較することで、一致した場合に機密情報が外部に移動しようとしていることを検知する、というもの。ファイルやレコードのレベルでの保護ではなく、情報の内容そのものに対して保護が掛かるので、元データのファイル形式を変更したり、コピー&ペーストで移したりした場合でも検出できる。

インターネットから社内に入り込む脅威に対応する「ThreatSeeker」

社内から外部に出て行く情報を精査する「PreciseID」

機密情報の存在把握、移動検出、保護を的確に行う

まずは製造業から市場開拓

ウェブセンス・ジャパンの代表取締役 後藤聖治氏

ウェブセンス・ジャパン代表取締役 後藤聖治氏は国内市場開拓の方針について、まずは図面やCADデータなどの社外流出防止が重要な課題となりつつある製造業に焦点を絞って市場開拓に取り組み、次いで金融業界や官公庁といった情報保護を重視する市場に対してもアプローチしていくという考えを明らかにした。なお、国内での価格はオープン価格だが、目安として製品のフル機能を1,000ユーザーを対象に導入した場合で700万円程度になるとした。販売は、コンサルティング能力の高い既存パートナーである富士通ソーシアルサイセンスラボラトリなどを通じ、情報漏洩対策のコンサルティングの過程で製品販売を行なう形を取る。