ということで、いよいよ本題の分解である。まずは背面パネルをはずすことになるが、これが恐ろしく剛性が高いため、なかなかに困難である。基本的にはパネル内側の両脇が凸凹なっており、これがiPod側の凸凹とぴったり嵌合する形になっている。そこで、スクレーパーの類(筆者は精密時計ドライバーのマイナスを使った)などを使って背面パネルを少し押し広げてやれば外れるはずである(Photo35)。

Photo35: 言うは易いが行いは難し。背面パネルの底面が絞り込まれている関係で、ちっとやそっとで広げられるものではない。結局ご覧のように底面部をペンチで多少歪めて、やっとはがすことに成功。ちなみにこの時点ではまだ電源は入る(が、アンテナを外してしまったのでWi-Fiはつながらなくなった)

改めて内部を見るとこんな具合(Photo36)。面白いのは電源スイッチ。フレキケーブルが延びているが(Photo37)、どう見ても配線は1本だけ。Photo38は逆方向からスイッチを見たものだが、たんなるメカニカルスイッチである。そこで試しに基盤側の端子(Photo39)をGNDにつなげると電源のOn/Offができた。構造的にはシンプルだが、ちょっと珍しい機構である。

Photo36: 底面が凸凹しているのは、パネルを外すためにこじった跡である。背面パネル側に取り付けられているのは電源スイッチとWi-Fiのアンテナのみ

Photo37: 普通ならこのフレキシブルパネルを基盤につなげそうなものだが、それすらも省いた構造

Photo38: スイッチ本体は2つのネジで取り付けられているが、内部はフレキケーブルの弾力を使った単なるスイッチ

Photo39: 中央やや左、ネジの横のスプリング状の金属板が電源スイッチの接点。その右脇の折りたたんだフレキケーブルの下にはコネクタが隠されている

スイッチの反対側にはアンテナが隠れている(Photo40)。これはアンテナの下半分で、上半分は背面パネル側にある(Photo41)。

Photo40: アンテナそのものは基板と同じ材質だが、RF部とはフレキケーブルでつながっている。フレキケーブルの根元にあるアンテナ端子は将来の拡張用だろうか?

Photo41: 背面パネル側。こちらは樹脂製である。プラスネジの下にある接点(ちょっと分かりにくいが、カンチレバーのような構造の金属板)は、基板側の接点(Photo40で手前にある金色の○部分)と接触する構造。普通アンテナ特性の調整をするときに、こういう方法だとノイズとかが乗りやすかったりするので、一体型アンテナにするのが普通(iPhoneではそうなっていた)だから、これはちょっと驚き

電池は一見ネジ留めだが、実は単に両面テープで固定されているだけ(Photo42)。寸法は55×65×2mm、重量は19g(いずれも実測値)だった。内部構造はiPhoneのそれと同じくサーミスタによる温度管理を行っている程度だった(Photo43、(Photo44)。

Photo42: ネジは液晶パネルとタッチパネルを重ねて本体フレームに留めるためのものだった

Photo43: iPhoneのそれよりもやや広く、薄いためか簡単に折れ曲がってしまう。電池容量で言えば、半分とはいわないが3分の2程度になっている気がする

Photo44: iPhone同様、3.7Vを供給

ところでちょっと面白いのがイヤホン端子(Photo45)。Photo36で本体側の左下に位置するが、あえて基板と一体にしていない。だからといってコネクタを使うところまでいかず、フレキケーブルを半田付けで留めてある構造だった。

Photo45: 無理にイヤホンを押し込まれたりしても破損しないため、という配慮だろうか? どうも基板そのものの強度がiPhoneに比べて落ちている(より薄型の基板を使っている)ようだ