今回の参加者の中で、比較的若く見える方にお話をうかがってみた。神奈川県横浜市にお住まいの27歳のフリーター、Iさんだ。

――この催しには、どのようなキッカケで、いつから、何回ぐらい参加なさってますか?

「知り合いの紹介で、1年ほど前に来たのが最初で、今回で3、4回目ぐらいですね」

――最初に参加したときの印象は、どうでしたか?

「最初は、さすがに正直言って、入り込みづらい雰囲気を感じる部分もありました」

――それでも、やめちゃおうとは思わなかったんですね。どのあたりが魅力ですか?

「自分の知らない古い作品や新しい作品にしても、観ていない作品に触れられるところですね。『YouTube』や『ニコニコ動画』で探すにしても、その作品の存在を知っていて名前が分からないことには、検索できませんからね。あと費用が安いのもありがたいです」

――これからも参加し続けようと思ってますか?

「ええ、時間の余裕さえあれば」

――さらに、いろんな作品に出会ってみたいと……。

「それだけじゃなく、自分でビデオテープを作って持ち込みたいんですよ。さっき言った居づらさを感じてる理由の1つが、自分がまだビデオテープを持ち込んでない点にもあって……。今、そのための機械の使い方を勉強しているところなんです。映像取り込みや画像編集とか。それでとにかく一度作って持ち込んでみて、それを出発点にして、さらに素材選びのセンスとかを磨いていきたいですね」

なるほど、ビデオテープを持ち込むことが、この集まりに参加するポイントの1つということか。次は、そのビデオテープ持ち込み経験者の方にお話をうかがった。神奈川県海老名市にお住まいの36歳の会社員、Kさん。

――この催しには、どのようなキッカケで来られるようになったんですか?

「最初は友人に誘われて。この集まりが始まって1年ぐらい経った頃のことですね」

――参加されてみて、いかがでしたか?

「初めて来たときには、もう全然ついていけなかったですね。わからなくて」

――それでも続けて参加されたのは、なぜなんですか?

「各自がビデオテープ持ち寄ってるってのは分かったんですよ。それを自分が作ってもいいんだ、というのを知って、これはおもしろいと。それが続けて参加しようと思った一番の理由ですね。まあ、他の人が作ったのを観るのも楽しかったし……」

――ご自身でビデオテープを持ち込まれるようになったのは、いつごろからですか?

「わりとすぐですね。参加するようになって、半年後ぐらいです」

――どのような内容のビデオテープだったんですか?

「ほかの人たちの内容は、忘れられつつある60年代、70年代の古い作品を取り上げようというのが多かったので、僕はその時点でリアルタイムで放送しているものを集めて作りました。その中でも特に唄いたい挿入歌とかを中心に選んで」

――その後も、同じようなパターンで作られたんですか。そうなると、もう10年以上もやってらっしゃるわけだから、素材のビデオテープも相当残ってるんでしょうね。

「そう、大体3、4カ月に一度くらいのペースで。僕の場合は本編ごと残しちゃうんで、結構な数がありますね。ビデオテープで500本ぐらいでしょうか。ここ3、4年は、DVDで残してるんですけれども、それが200~300枚ぐらいあるのかな」

――会社にお勤めのわけだから、転勤されたこともあったんじゃないですか?

「関東と関西の間でたびたび異動になって、何往復もしましたね」

――にもかかわらず、この集まりには参加し続けてこられたんですか?

「来るのは飛行機で、帰りは新幹線を利用することが多かったです。まあ、道楽ですね」

――そこまでして、参加され続けてこられた理由は、どこにあるんでしょう?

「この集まりが、参加型のイベントだという点ですね。映像を保存しておくだけだと単なるコレクターになっちゃうんですけど、この場に来ればそれを発表できますから」