PCI Express Vendor Update

さて、最後にTechnical ShowcaseのPCI Express関連製品を少しご紹介したい。といっても、今回は見るべきものが余り無し。Wall of Boards(Photo18)も、殆どがPCI Express Gen1ベースのアクセラレータかFSB-FPGAボードというありさま。一応会場ではNVIDIAが詳細を一切公開しないままGen2対応のグラフィックカードの動作デモは行っていたが、それだけといった風情。そうした中、唯一PCI Express Gen2対応を謳っていたのがこちら(Photo19)。要するにALTERAのStratix II GXを搭載した評価ボードである。GXシリーズは内部にEmbedded Transceiverを搭載しており、そのままPCI Expressに接続できる。それはいいのだが、お値段もかなりなもの。例えばDigi-Keyのパーツリストで調べると、ローエンド品は$470程度だが、ハイエンドは$7000を越える(何れも1個単位での価格)。試作はともかく、量産に使うにはかなり覚悟が居る代物だ(*1)

Photo18:Wall of BoardsというよりはWall of Acceleratorといった趣の製品群。大半がPCI Expressを利用したAcceleratorだったが、中にはFSB-FPGAやPCI-Xの製品まで混在していた。

Photo19:ちなみに搭載されているのはEP2SGX90FF1508C3(650個のI/Oと90960個のLogic Block/Elementを持つ1508pin FPGA)。Digi-Keyでのお値段は$4000/個なり。

そんなわけで、Endpoint Deviceに関してはあまりぱっとしないのだが、Switchに関しては何社かが既にGen 2対応製品をリリースしていた。例えばIDTはGen2に対応したSystem Interconnect Switch(Photo20)と、これを使った評価ボード(Photo21)をデモしていた。面白いのはこのSwitch、まだIOVには未対応ながら、内部でパーティショニングをすることが可能なのだそうで、2つのSwitch Domainに分離するなんて構成ができるそうだ。同種の機能を持ったPCI Express SwitchはPLXなども展示しており、今はこれを使ってSystem Interconnectを構成するのがトレンドの様だ。ただMR-IOVが出てきたらこのあたりは変わってくるのだろうが、まだSpecificationも出る前とあってか、IOV対応に関しては何も教えてくれなかった。

Photo20:この89HPES64H16、SpecificationによればPCIe 1.1対応の64Lane/16Port Switchということになっているが、会場ではGen2対応Switchとして紹介されていた。IDTの場合、今年5月にGen2対応Switchのアナウンスをしていながら、現時点ではラインナップに具体的な製品が示されていないというちょっと不思議な状況であり、従ってこのチップの印字はあてにならず、実は内部はGen2対応品なのかもしれない。

Photo21:このスイッチは64LaneのPCI Expressを、x8ポート×8もしくはx4ポート×16に変更可能であり、これをMiniCard(というか、昔ASUSTeKなどが使っていたSLI Config Cardに良く似た構造のセレクタ)を使って切り替えるようにしている。

(*1)勿論これは発注数量で大幅に変わる。Stratix II GX発表時のリリースによれば、今年中旬に25000個EP2SGX30CF780(ローエンド品。Digi-Keyでは$470/個となっている)を購入した場合の価格は$49/個で、一桁違うことが判る。とはいえ、2桁落ちる事は普通はないから、やはり高価なものであることに変わりは無い。