高性能が目につかない完成度の高さ

EOS 40Dはよくできている。新機能の操作性の部分で若干気になるところはあるが、それ以外ほとんど気になるところはない。性能の高さと相まって、どんなところでも確実に撮影できるはずだ。画素数が増えたことでノイズの増加なども懸念したが、うまく抑え込んでいる。それでいて安い。秒6.5コマの連写や高いオートフォーカス性能は、スポーツ撮影でも普通にこなしてしまう。それでいて16万円弱なのだから、とても買い得なカメラだと思う。

これらを含め、EOS 40Dの完成度の高さはちょっとすごい。尖ったところがないというか、非常に高いところでバランスが取れている。逆にいえば特長を感じづらいカメラでもある。もちろん高性能なオートフォーカスなどは立派な特長だが、EOS 40Dを使っていると、それがごく普通に思えてくるから不思議だ。ピクチャースタイルもライブビューも便利なのだが、EOS 40Dは個々について何も主張しない。淡々と仕事をこなしていく。

ある意味、EOS 40Dは"透明なカメラ"になろうとしているのかもしれない。極端に考えると、撮影シーンとそれを写し取った画像があればカメラは要らないことになる。少なくとも民生品であれば、技術が目立つ機械はまだ完成度が低いのかもしれない。EOS 40Dはそんなレベルに届こうとしている。

逆光のヒマワリ。ハレーションが出ているが、イヤミではない
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
68mm(109mm相当)
絞り優先AE、補正+1EV(F11、1/250秒)
ISO:250
WB:オート
PS:スタンダード
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和服に自転車。とっさの撮影には、EOS 40Dの速いフォーカスが強い味方になる
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
53mm(85mm相当)
絞り優先AE(F5.6、1/320秒)
ISO:320
WB:オート
PS:スタンダード
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EOS 40Dに限らないが、空を広く入れると露出が下がりすぎる傾向がある。これでも+1段の補正をしているのだが……
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
44mm(70mm相当)
絞り優先AE、補正+1EV(F9、1/1250秒)
ISO:400
WB:オート
PS:スタンダード
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公園の林。樹木の影はつぶれぎみだが、かえって墨絵のようないい雰囲気に
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
68mm(109mm相当)
絞り優先AE、補正-0.3EV(F9、1/80秒)
ISO:800
WB:オート
PS:スタンダード
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クーラーの室外機の前でがんばる草花。これもレベルを少し切り詰めるともっと良くなる
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
64mm(102mm相当)
絞り優先AE(F5.6、1/30秒)
ISO:100
WB:オート
PS:スタンダード
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下町、夏の終わり
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
17mm(27mm相当)
絞り優先AE(F7.1、1/1600秒)
ISO:400
WB:オート
PS:スタンダード
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犬は自分の職務をよくわきまえていて、さんざん吠ええられてしまった
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
85mm(136mm相当)
絞り優先AE(F7.1、1/60秒)
ISO:800
WB:オート
PS:スタンダード
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モノクロモードではなく、ごく普通に撮影。水たまりに映る太陽
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
85mm(136mm相当)
プログラムAE(F14、1/500秒)
ISO:100
WB:オート
PS:スタンダード
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雨上がり。花からの雫を狙った
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
85mm(136mm相当)
絞り優先AE、補正-1EV(F5.6、1/320秒)
ISO:250
WB:オート
PS:スタンダード
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夕焼けがきれいだったので、窓からそのまま手持ちで撮影
EF-S17-85mm F4-5.6 IS
Large+Fine(JPEG)
17mm(27mm相当)
プログラムAE(F4、1/32秒)
ISO:100
WB:オート
PS:スタンダード
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テスト撮影:川上卓也(Mediart)
作例撮影 :加藤真貴子(WINDY Co.)
レポート :西尾 淳(WINDY Co.)