米Microchip Technorogyが開発した8ビットおよび16ビットマイコンに「PIC」シリーズがある。DIP(Dual In Line Package)という手作業によるハンダ付けが簡単にできるパッケージで提供される製品もある上に、電気的に丈夫という特徴があり、日本では電子工作愛好家(ホビーユーザ)の間でも親しまれている。

8ビット製品は命令数が35程度と少なく、「MPLAB」という統合開発環境が無償提供されている。そのためアセンブリによる開発が比較的容易である。さらに有償のCコンパイラを購入することでC言語による開発も可能である。

PICは、例えばモータ制御や各種センサから出力されるデータの処理といった用途などで使用されている。また、USBやCANに対応したものや、RFモジュールが組み込まれたものなど、ユニークな製品を揃えている。

この「PIC」のメーカであるMicrochip Technologyによると、PICは8ビットマイコンの分野において世界シェアNo.1であり、市場の16~18%を占めているという。また、日本において同社は「PICを作っている会社」というイメージが強いが、PICをはじめとする113のマイコン製品に加えて、温度センサなどの37のアナログインタフェース製品も提供している。

9月20日、このMicrochip Technologyの米国本社から社長兼最高経営責任者であるSteve Sanghi氏がプロモーションのために来日し、日本市場での今後の戦略や新製品などについて語った。

米Microchip Technologyの社長兼最高経営責任者であるSteve Sanghi氏 - インタビュー前日は富士山へ。その日のうちに8合目まで登った後に東京へ移動したという強い体力の持ち主。同氏はこのインタビューの直後に成田へ直行し、次の目的地へ向かった