IDF Fall 2007の会場では、今回も恒例の「テクノロジー・ショーケース」が開催されている。Intelと各パートナーが様々な製品を出展しており、毎度のことながら注目すべき展示は数多い。ひとまず、細かい話は別の機会を設けて紹介させていただくつもりだが、本稿では簡単に、会場で見つけた興味深い製品をプレビューとしてご覧に入れたいと思う。

会場の様子。今回もところ狭しと最新製品が出展された

80タイルこと、80コアプロセッサが出展

こちらの記事こちらの記事でも紹介した、80コアプロセッサのシステムだが、実際に動作デモンストレーションが行われていた。これは1チップで1TFlopsを実現したというもので、80のコアがダイ上にタイルのように整列していることなどから「80タイル」とも呼ばれている。ちなみに製造プロセスは65nmで、トランジスタ数は1億個とされ、ダイサイズは275平方mm、1"タイル"あたりのサイズは3平方mmだそうだ。

"80タイル"の動作を間近で確認することができた

80タイルの構造。IAアーキテクチャには準拠しないテストサンプルらしい

62Wで1TFlopsを実現可能だが、もっと上の性能も出せる

80タイルのウェハも展示。コアが整列した様子を確認できる

最大6GHz超え、2TFlopsまでのデモンストレーションを見せてもらった。なお、Wattsの数字はプロセッサ単体のものだそうだ

DDR3 SO-DIMMのデモ、Montevineのサンプルボードも

おそらくは今回が初だと思われる、DDR3 SO-DIMMの動作デモンストレーションが公開されていた。2008年に投入される次世代Centrinoプラットフォーム「Montevina」上で動作させており、ちなみに、MontevinaのノースブリッジはIntel 3シリーズ世代の「Cantiga」で、これはDDR3とDDR2の両方をサポートするため、プラットフォームは同一でメモリのみを変更した比較が可能。ということで、高速化と省電力化の特徴をアピールする比較テストが披露されていた。

「Montevina」のサンプルマザーボードを2枚並べ、DDR3とDD2の2種類のSO-DIMMを比較していた

左がDDR3で右がDDR2。ご覧のようにDDR3の方が高速なフレームレートを出せている

しかしDDR3の方が低消費電力。下の線がテスト時のDDR3の消費電力だ

各メモリベンダーもDDR3 SO-DIMMを出展してきており、例えばエルピーダのブースではPC3-8500のモジュールを展示。このモジュールは同社最新のプロセスルール70nmで製造したメモリチップを搭載しており、出荷は来年。ところで、DDR3 SO-DIMMの利点だが、担当者によれば、おおよそDDR2-800と同じパワーバジェットで、DDR3-1333を実現可能なのだそうで、ノートブック向けに重要な省電力メモリも期待できそうな様子だった。

DDR3 SO-DIMMを出展していたエルピーダ

超高速オーバークロックメモリ

Corsair Memoryでは、同社らしくDDR3 SDRAMのオーバークロックメモリを展示していたのだが、これがちょっと過激だったので紹介しておきたい。最高で970MHz(DDR3-1940相当)までオーバークロックした状態でシステムを動作させていたのだ。

Corsairは970MHz(DDR3-1940相当)までオーバクロックしたDDR3メモリモジュールを展示

ここまでシステムクロックを上昇させてもFSB:DRAMレートが1:2という異常な状態。このメモリにFSBが追いつくことはあるんだろうか…