【レポート】
マイクロソフトは、本格的なBI(Business Intelligence)アプリケーション「Microsoft Office PerformancePoint Server 2007 日本語版」を11月上旬から発売する。「プランニング」「モニタリング」「分析、レポーティング」の3機能を核に、多くの企業で普及している「Microsoft Office」のExcelやWebブラウザを入出力インタフェースとして、企業全体のパフォーマンスマネジメント(業績管理)に必要なすべての機能を統合し、単一のパッケージとしている。
「PerformancePoint Server 2007」の「プランニング機能」は、実績のデータに基づく、予算編成、予測といったプランニング業務の効率化を担う。Excelをユーザーインタフェースとして活用し、関数やマクロを利用しながら、データや入出力シート、データ加工ロジック、業務プロセスなどをサーバー上で集中管理することにより、業務の生産性向上、内部統制強化、安全性の確保を図る。予算の入力担当者や編成者は使い慣れた「Excel」を使用するだけであるほか、管理ツールとウィザードが用意され、基本的な設定も行いやすくなっている。
「モニタリング機能」は、いわゆる「見える化」の中心となる。日常業務で使用されるものから蓄積されたものに至るまで、企業内のあちこちにあるデータを、業績や、計画の進捗状況の指標となるスコアカードや戦略マップ、分析チャートなど、さまざまな「見せ方」で可視化する。これらの機能はBIとしては一般的だが、大きな特徴は、グラフィカルツール「Dashboard Designer」を備えていることだ。このツールにより、ドラッグ&ドロップのような容易な操作で、エンドユーザーはコンピュータにさほど精通していなくても、独自のダッシュボードを作成できるという。従来のBIは、経営者層や、分析の担当者など限られたユーザーが使用するものだったが、「PerformancePoint Server 2007」は「パフォーマンスマネジメントを企業全体で行う」(同社)との発想が基本であるため、操作性の向上に力点が置かれている。
「分析、レポーティング機能」もやはり、ExcelとWebベースでの操作が軸になっている。ウィザードを用いた容易な操作環境を整えている。データのそれぞれを深く掘り下げていく「ドリルダウン」機能では、さまざまなグラフから、地域別、販路別の販売状況など、多様な視点での分析が可能だ。また、データはExcel、PowerPoint、Outlookなどの各種Officeアプリケーションへのエクスポートができるほか、ダッシュボードへの取り込み、スコアカードとの連携も可能になっている。今回の製品では、米マイクロソフトが2006年4月に買収した、米ProClarityが保有していたBIの技術基盤、とりわけ分析機能を取り込んでいる。
「PerformancePoint Server 2007」は、サーバーでは「Windows Server 2003 SP1/Standard Edition」以降、「Windows SharePoint Services3.0」、「Office SharePoint Server」などに対応、クライアントは、「Windows XP Professional SP2」以降、「Office 2003SP2」以降などに対応している。価格は未定だが、米国ではサーバーが2万ドル程度、クライアントアクセスライセンスは195ドルで、「国内では100クライアントで500万円程度」(同社)になる模様だ。
国内では依然、BIはそれほど企業への普及が進んでいないと言われているわけだが、同社では、この1-2年で、スコアカードへの需要が伸長しているとみている。当初は、工場など生産現場や流通など、限定された分野からの導入が進むとみられるが、既存製品の「Microsoft Business Scorecard Manager」はすでにメーカーや大手の食品関連企業など向けに実績があり、同社は裾野の広がりに期待している。
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マイクロソフト 業務執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部長の横井伸好氏 |
今年度のBI推進のための具体的施策としては、エンタープライズユーザーを対象に、10-15人単位で、コンサルタントによる講義と質疑応答、意見交換などを組み合わせ、最新の情報を提供する「BIラウンドテーブル」を年60回開催するとともに、パートナーが実際にBIのソリューションを提案する場合に、デモ部材の提供、問い合わせ対応など、さまざまに支援する「BI商談支援センター」を設ける。さらに、無償のトレーニングを年20回開催する予定だ。
同社の業務執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部長の横井伸好氏は「膨大な情報が企業の内部に蓄積されている。これらをいかにスピード感をもって、価値に変えていくかが重要になる。ITがそれを支援するが、結局は『ヒト』の生産性が鍵」と語り、BIにより、業務の工程に埋もれたさまざまな傾向、変化の予兆となる事象などを発掘することが迅速な意思決定につながる、と指摘する。オラクルやビジネスオブジェクツを競合と位置づけ「BIの市場そのもを拡大し、この領域でもリーディングカンパニーを目指す」としている。
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