さて、それではいよいよオーバークロック開始である。例によって、BIOS設定から段階的にシステムクロックを向上させていくことでオーバークロック動作させる方法を採る。あわせて、それぞれの段階でのオーバークロック設定ごとにベンチマークソフト(メニューは以下参照)でパフォーマンスを測定。それらベンチマークを完走できれば、その段階でのオーバークロック動作は成功したこととみなしている。

いつもの通り、BIOSの手動設定でオーバークロックしていく

使用したベンチマークソフトとテスト項目

  • スーパーπ - 104万桁
  • Sandra XI - CPU Arithmetic / Multimedia、Memory Bandwidth
  • CINEBENCH R10 - Rendering Single / Multiple

G-0のクアッドコアはバケモノかも

まずはCore 2 Extreme QX6850の動作周波数である3GHzを目指す。システムクロックを定格の266MHzから、とりあえずきりのいいところで300MHzに設定すると、これがあっけないくらい簡単に通り、動作周波数は2.40GHzから2.7GHzへ。

とりあえずのシステムクロック300MHzなのだが、実際にFSB1200MHzとかいう数字を見ると少しビビってしまう

それでは、ということでドキドキしながらも一気にExtremeに並ぶシステムクロック333MHzを設定してみると、これもなんら問題なく動作。ちょっと拍子抜けの感もあるが、動作周波数は3GHzを達成し、当初の目標と考えていたラインはクリアすることができた。

拍子抜けするくらい簡単にQX6850と並んでしまった。まだ余裕があるような"気がする"

こうなってくると、あとは限界への挑戦である。今度はシステムクロックを350MHzに設定し、これが動けば動作周波数は3.16GHz。FSBは定格では未知の領域である1400MHzだが、ここもあっさりとクリア。Extreme超えを確実なものとできた。

現行の製品としては存在しないレベルに到達

調子に乗って今度はシステムクロック375MHz、つまり動作周波数3.375MHzに挑戦である。結果、システム起動やベンチマークの動作にも問題は見られず、ここもすんなりクリア。この時点でのFSBは1500MHzで、ちょっと怖くなるあたりまで上昇している。

FSB1500MHzはさすがに怖い。しかし止めるわけにはいかないのだ!

ところで、前の項で「冷却クーラーは高性能なものを」と書いておきながら大変申し訳ないのだが、実は今回のオーバークロックでは、Core 2 Quad Q6600のリテールパッケージに付属していた標準クーラーを利用している。

理由は単純、面倒だったから(笑)である。挙動が怪しくなってきたら交換すればいいか、くらいに考えていたのだが、ファンが高速回転し続けているとか、ヒートシンクが異常に熱いということもないので、このままで続けてしまおうと思う。そう、いままで黙っていたが、本稿の隠れテーマは標準クーラーのマージンテストなのだ!!(完全に後付け)

標準クーラーでもなんとかなるものだ。BIOS読みだがCPU温度も許容できる範囲だった

とはいっても、やはり"買ってきたモノ"なので、万が一プロセッサ破損なんてことになると筆者涙目である。しかしながら、ここまで引っ張っておきながら止めるわけにもいかないので、システムクロック400MHzに挑戦である。動作周波数は3.6GHz、FSBにいたっては1600MHzと、すでに次世代プロセッサの領域なんじゃないかというあたりだが、なんと! ここも見事クリアすることができた。

ついに動作周波数3.6GHzに到達。FSB1600MHzはすでにPenrynの領域じゃ…

ただ、どうやらこのあたりが限界だったらしく、システムクロックを400MHz以上に設定すると起動すら難しい状態になってしまう。というわけで、まだ電圧設定やそもそもクーラー交換でなんとかなるのでは、という課題は残しつつも、本稿での最終到達地点は動作周波数3.6GHz/FSB1600MHzとさせていただきたい。

システムクロック405MHzくらいであればなんとか起動はするのだが、ベンチマークテストが完走しなかったりとかなり不安定に