9月8日、全国ロードショーがスタートした『サッド ヴァケイション』の初日舞台挨拶が東京渋谷・シネマライズで開かれた。青山真治監督ほか、主演の浅野忠信、石田えり、宮崎あおい、オダギリジョーなど多くの出演陣が集まった。先日参加した、ベネチア国際映画祭「オリゾンティ部門」でのオープニング上映の感想なども聞かれ、ファンにとっては格別の舞台挨拶となった。

舞台挨拶にて。右から青山真治監督、石田えり、浅野忠信、宮崎あおい、オダギリジョー、板谷由夏、光石研、とよた真帆、斉藤陽一郎

本作品は青山真治監督の『Helpless』、『EUREKA ユリイカ』に続く、故郷を舞台にした"北九州もの"の三作め。第53回カンヌ国際映画祭で二つの賞をとった前作『EUREKA ユリイカ』から7年。新たに監督が加えたエッセンスは"やさしさ"だという。

幼いころに生き別れた母(石田えり)と運命な再会を果たした主人公・健次(浅野忠信)。復讐の機会をうかがって母の"家族"とともに暮らし始めるが、母の偉大なる母性を目のあたりにしたことでその気持ちは次第に変わってゆく……。

(C)間宮運送組合 2007

この日、青山監督は「皆と一緒にここまできたけど、これからは作品が一人立ちしていくので今日はすごく達成感があって気持ちいいです」 と、いよいよ迎えた初日の感想を。

主演の浅野忠信は撮影時の思い出も語り、「自分でもすごく思い入れのある作品なのでうれしいです。ベネチアではお客さんの反応もよかったし、自分が元々知っていたすごくおいしいレストランにも皆で行けたのでよかったです」。

前作『EUREKA ユリイカ』にも出演した宮崎あおいは、「このメンバーと一緒にここに立つことができて本当にうれしいです。私はこの劇場(シネマライズ)が大好きなんです。自分も良く見にきますし、皆が見に来てくれるのですごく好きなんです」とうれしそうに語った。

(C)間宮運送組合 2007

青山作品に初出演となったオダギリジョーは、「台風が去ってくれてよかったです。ヴェネツィアでは時間的に余裕があって(リド島ではない)いろいろな島にも行けました。この人数(9名)で(映画祭に)行けたのが楽しかったです」。

ベネチア映画祭後、イタリア、フランスなどヨーロッパ各国から上映への問い合わせが相次いでおり、これからますます注目を浴びることになりそうだ。

現在、東京渋谷・シネマライズほかにて全国ロードショー中。